新井「全力プレー見てほしい」慈善試合へ決意

[ 2011年4月2日 06:00 ]

真剣な表情でティー打撃を行う新井

 選手もファンも一丸支援だ。2日、3日は東日本大震災復興支援の12球団チャリティーマッチが行われる。労組・日本プロ野球選手会会長を務める阪神・新井貴浩内野手(34)は1日、横浜戦(横浜)を前に西宮市内の甲子園球場の室内練習場で調整。全力プレーはもちろん、球場に足を運ぶファンと一体となって被災地にエールを送ることを誓った。

 4・12開幕へ向けた調整の場ではない。2、3日に行われる試合が特別な意味を持っていることは、誰よりも理解している。東日本大震災復興支援のため、12球団が行うチャリティーマッチ。2日の横浜戦を前に、1プレーヤーとしてだけではなく労組・日本プロ野球選手会会長の立場から、新井が力強く決意を語った。

 「全力プレーを見てほしい。プレーする選手はもちろんだけど、見に来てくれるお客さんと一体となってやりたい。12球団一斉にでしょ。被災者のためにもいいプレーを見せたい」

 グラウンドで懸命な姿を見せることは大前提だが、プレーとともに譲れないことがある。ファンと一体となって、被災者にエールを送りたい―。試合前には自ら募金活動も行い、少しでも多くの支援を訴える。3月29日のサッカー・日本代表とJリーグ選抜の復興支援試合は、テレビで観戦。「画面から(気持ちが)伝わってきた」。フットボーラーから同じアスリートとして刺激を受けただけじゃない。サポーターも含めたスタジアムの雰囲気も、新井の心に残ったはずだ。

 選手会会長の重責を担い、開幕延期問題が決着したのが3月24日。言い訳は一切、口にしなかったものの、騒動の間はバッティングの調子を崩していた。だが、29日の中日との実戦形式の合同練習で25打席ぶりに安打を放つと、30日には対外試合19試合目にして待望の今季“1号”。確実にコンディションは上がっており、「開幕にいい状態に持っていって、いいスタートを切ることを目標にするのは、毎年一緒だからね」と手応えを口にした。

 この日は室内練習場での指名練習に参加し、フリー打撃などの調整で横浜戦に備えた。「もともと練習の予定だった。休養は必要だけど、それはきょう(1日)じゃない」。調整がメーンとなる無観客の合同練習ではなく、被災者にエールを送るチャリティーの舞台へ準備は万端。「結果はもちろん(出したい)ですね。チャリティー試合だしね」。走攻守すべてで見せる全力プレーとファンのエネルギーが、プロ野球からのメッセージだ。

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2011年4月2日のニュース