東北魂だ!九国大付「紫紺の大旗」まであと2つ

[ 2011年4月1日 06:00 ]

<北海・九州国際大付>ベンチからサインを送る九州国際大付・若生監督

第83回選抜高校野球大会第9日 九国大付5―4北海

(3月31日 甲子園)
 東日本大震災で被災した故郷、そして母校の思いをも背負うからには負けられなかった。九州国際大付の若生正広監督は同校、そして自身としてもセンバツで初のベスト4進出を果たし、「仙台の出身者として今、甲子園で戦ってる。その姿でこれからも(故郷に)勇気を与えられるように頑張りたい」と毅然(きぜん)とした口調で話した。

 6番打者の一振りが試合を決めた。3―3の8回。ここまでの2試合で無安打だった花田が、右翼ポール際へ値千金の決勝本塁打を放った。「公式戦では2本目だけど、こんな貴重なホームランは初めて。迷惑をかけてきたから取り返そうと思った」。前日の練習では車椅子を使っている若生監督から直々にティー打撃でボールを上げてもらい、「バットから上が出ていい打ち方だ」と後押しされていた。それだけにヒーローは「優勝して監督を一番にしたい」と意気込んだ。

 前日には若生監督のもとに東北の五十嵐征彦監督から「私たちの分まで頑張ってください」と激励の電話があった。そしてこの日は、地元に戻った東北ナインも地域の清掃ボランティアの合間を縫って全員でテレビの前で試合観戦。我妻敏部長も「(若生監督には)優勝してほしいですね」と話した。

 頂点まであと2勝。「選手はここまで一生懸命に戦ってくれているし、宮城県の人も応援してくれてると思う」と若生監督。東北OBとして、そして故郷のためにも、紫紺の大旗を奪いにいく。

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