山崎も諦めん!“思いよ届け”42歳全力疾走

[ 2011年4月1日 06:00 ]

<楽・西>1回無死一、三塁 高須の中犠飛で一走・山崎(右)は、果敢に二塁に進塁

練習試合 楽天5―1西武

(3月31日 ほっと神戸)
 カズにも東北ナインにも負けていられない!楽天・山崎武司内野手(42)が31日、西武との練習試合(ほっと神戸)で、果敢な走塁を見せた。

センバツと、サッカーのチャリティーマッチに先を越されたが、プロ25年目のベテランが、被災地へ体を張って思いを届ける。
 42歳の山崎が、見る者を熱くする全力疾走で勝利を呼び込んだ。高校野球だけでなく、プロにも求められる全力プレー。それができるから現役を続け、夢を与えている。

 体重100キロの巨体が大きく揺れた。初回無死満塁。山崎はボテボテの三ゴロに速度を緩めることなく、一塁を駆け抜けた。三塁・中村の悪送球を誘い、先制点につなげた。「星野監督には昔から、走塁は足の速い遅いではないと言われてきた」。走者として一塁に残ると、貪欲に次の塁を狙った。続く、高須の中飛でタッチアップ。背中を泥だらけにする豪快なスライディングで二塁を陥れた。29日の西武戦で左足に自打球を当てた影響も感じさせなかった。

 全力疾走を怠らないのは、それが見る者の心を動かすことを知っているからだ。29日にはテレビでサッカー日本代表とJリーグ選抜の試合を観戦した。山崎より2学年上の、カズこと三浦知良(J2横浜FC)のゴールに「彼が積み上げてきた功績が、ああいう形になるんだろうな。グラウンドに立てば年齢は関係ない。20歳でも40歳でも結果を出せる選手がグラウンドに立てるんだよ」。競技は違うが、100%の力でプレーする意味をあらためて感じ取った。

 センバツで奮闘した東北ナインの姿も刺激になった。東日本大震災の影響で満足な練習ができない中、敗れはしたがはつらつプレーを見せてくれた。「大変だったろうけど、出場したことは必ず財産になる。全力で戦う姿を見て勇気や力をもらった人もたくさんいると思うよ」。被災地の地元球団の一員として、東北ナインに共感した。次は楽天の番だ。

 チームは4月7日に震災後初めて仙台に戻り、ボランティアを行う。これまでも募金活動や救援物資の搬送などは手伝ってきたが、現地で直接手を差し出せないもどかしさはあった。ようやく解放される。支援もプレーも全力で復興を後押しする。

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