吹雪の中で…斎藤「複雑な開幕になる」

[ 2011年3月31日 10:18 ]

 仙台市出身のブルワーズ・斎藤隆投手は開幕前日の30日、オハイオ州シンシナティの球場でキャッチボールと走り込みで調整した。正午すぎの練習開始時は、故郷を思わせる吹雪。家族や友人が被災した41歳は「もしもプレーする姿がほんの少しでも復興への気持ちに勇気を与えることがあるなら、この上ない幸せ」と決意をにじませた。

 次々に知らされた悲惨な現状に心を痛めた。父親の実家がある宮城県東松島市野蒜地区は壊滅的な被害を受け、伯父ら近親者は避難所で暮らす。母校の宮城・東北高野球部の同級生は、斎藤が遊びに行ったこともある実家が津波に流された。「家族、友人がいまも厳しい状況にいるので複雑な開幕になる。スポーツは平和の象徴で、普通に生活できた上にあると強く感じる」

 この日、クラブハウスには東北出身の在米邦人から花が届けられた。添えられた手紙には「東北出身の代表としてMLB(大リーグ)で頑張って下さい」。斎藤は「マウンドに上がったらできるだけのことをする。それだけはファンに誓う」と力強く語った。(共同)

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2011年3月31日のニュース