松井猛打SHOW!初本拠地で3安打固め打ち

[ 2011年3月31日 06:00 ]

本拠地オークランド・コロシアムでの初打席となった2回、無死、中前打を放つ松井

オープン戦 アスレチックス1―4ジャイアンツ 

(3月29日 オークランド)
 ゴジラにようやくスイッチが入った。アスレチックスの松井秀喜外野手(36)が29日(日本時間30日)、本拠地デビューとなったジャイアンツ戦で4打数3安打の固め打ち。この試合まで打率・123と結果が出ていなかった主砲のバットが地元ファンを喜ばせた。試合前は東日本大震災支援に関する記者会見に、猪俣弘司サンフランシスコ総領事(57)らと出席。自身の活躍で被災地に明るい話題を届けることを誓った。

 柔らかい笑顔が、状態が上向いていることを物語っていた。事実、松井自身が一番の手応えを感じていた。

 「3本とも、しっかりと甘い球を強いスイングで打てた。久しぶりにいい打席が続いたと思う」

 本拠地初戦。力強いスイング、鋭い打球で3安打。観衆1万8204人にあいさつ代わりの猛打ショーだった。技巧派左腕のジト相手に、2回先頭では体をしっかりと残してカーブを中前に運んだ。4回は3ボールから積極的に打ちに出て右翼線へ運ぶと、6回2死一、三塁では初球、高めの直球を迷うことなく中堅へはじき返した。

 試合前の打撃練習は33スイング中、今季最多の10本の柵越え。「いつもよりだいぶ飛んでいる感じがした。使っていたボールがキャンプと違うんじゃないですか?」。軽快なトークで周囲を笑わせた松井だが、キャンプで開きがちだった右脇はしっかりとしまっていた。背筋が伸びて体の回転が鋭くなり、バットが最短距離で出ていた。「自然と気持ちの高ぶりがあったのかもしれない」。新天地の本拠地初戦で高ぶる気持ちが、松井本来の持ち味を引き出した。

 被災者に元気を――。今季に懸ける思いは特別なものがある。ア軍は主催する「頑張ろう!日本プロジェクト」の進行状況を報告。球団で受け付けている寄付が5万ドル(約415万円)を超えたとし、入場券1枚につき1ドル(約83円)を義援金に回す4月3日のマリナーズ戦は2万人の来場を見込んでいるとも発表した。個人で義援金5000万円を送った松井も、英語のビデオメッセージで募金を呼びかけるなど支援活動に積極的で、会見では「支援の輪が広がっていくことを願っている。いいプレーをして、少しでもいいニュースを伝えられるようにしたい」と誓った。

 「試合でもいい結果が出たので良かった。いい形でつなげられればいい」と松井。メジャー9年目のシーズン開幕まで残り2日。足長ゴジラが、海の向こうからプレーで日本に元気を届ける。

 ▼アスレチックス ボブ・ゲレン監督 ここ数日、バットスピードが上がっていた。たまに3ボールから打たせることで状態が良くなることがあるので許可するサインを送った。状態が上向くのでは。

 ▼アスレチックス ジェラルド・ペリー打撃コーチ 質のいい3打席だった。この4、5日、打撃練習が凄く良くなってきていた。(左投手は今オープン戦12打数1安打も)問題ない。いい構えをしているしバットコントロールもできている。

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