21世紀枠・城南、報徳撃破!「夢のような時間」

[ 2011年3月28日 06:00 ]

<報徳学園・城南>9回、3ランを放った竹内(左)を迎える城南ナイン

第83回選抜高校野球 城南8-5報徳学園

(3月27日 甲子園)
 圧倒的な打力で、春夏通じて初出場の城南が名門・報徳学園相手に土をつけた。母校を率いる森恭仁監督は「城南にとっては大きな1勝。夢のような時間だ」と顔をほころばせた。

 21世紀枠での出場ながら、出場校中トップの昨秋1試合平均得点9・83点という攻撃力は本物だ。コンパクトにバットを振り抜き、球に逆らわない打撃で得点を重ねた。1―0の5回は2死から4連続長短打で2点を追加した。4人とも中堅から逆方向への安打。9回に3ランを放った竹内は「(うれしさを)かみしめてベースを一周した」と満面に笑みを浮かべて振り返った。

 学校創立135年。創部は1898年で今年が114年目と県内最古のチームは屈指の進学校でもある。グラウンドはソフトボール部やサッカー部と共用。打撃練習はバックネットに向かって行っている。私立強豪校のように練習に恵まれた環境ではない中での1勝に、森監督は「113年の先輩の気持ちが伝わった。やってきたことが間違いではなかったことを示せた」と大きく胸を張った。

 ▼川崎F・DF実藤友紀(城南OB) こういう状況の中、試合をして全力でプレーした城南高校、初出場で初戦突破した母校を誇りに思います。

 ≪最も遅い甲子園初勝利≫19世紀の1898年創部の城南が、114年目で初出場初勝利を挙げた。過去には07年都城泉ケ丘、08年安房(いずれも21世紀枠)がともに創部108年目で初出場初勝利を挙げているが、城南はこれらを上回る創部以来最も遅い甲子園初勝利となった。

 ≪初戦突破10校目≫城南が報徳学園に勝ち初戦突破。01年から導入された21世紀枠で今大会は大館鳳鳴(秋田)、佐渡(新潟)が初戦で敗れていた。21世紀枠の初戦突破は昨年の向陽(和歌山)に続いて10校目だが、うち大会2勝以上は01年宜野座(沖縄=4強)、09年利府(宮城=4強)の2校だけで、残りは2回戦で敗退している。

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2011年3月28日のニュース