斎藤“別人”自責ゼロ!指揮官「ローテの一角」

[ 2011年3月28日 06:00 ]

練習試合<日・ロ>先発し5回を1失点に抑えた斎藤

練習試合 日本ハム0-3ロッテ

(3月27日 札幌ドーム)
 打たれて学び、抑えて学ぶ。日本ハムの斎藤佑樹投手(22=早大)が27日、ロッテとの練習試合で2度目の先発マウンドに上がり、5回を2安打1失点(自責点はゼロ)に抑える好投を見せた。初先発となった21日の阪神戦(札幌ドーム)は3回13安打9失点。4・17公式戦デビューの相手となるロッテ打線に対し、中5日で別人のように変身した高い修正能力を見せつけた。

 たった6日間でこれだけ変われる。これが野球。これが斎藤。「全然別人が投げている感じ。前回は1イニング8失点だったのに…」。梨田監督の驚きが全てを物語っていた。

 無観客で静寂に包まれた札幌ドーム。背番号18が投げるたびに、テンポの良いミット音が響いた。阪神戦の悪夢を払しょくしたい。必死に腕を振り続けた結果は、5回2安打1失点だった。

 「前回は打たれだしたら焦ってしまって、力んでフォームがバラバラになった。きょうは自分本来のフォームに戻った」。9失点KOから中5日。修正能力の高さを見せつけた82球だった。上半身の力を抜き、リラックスした状態から投げる瞬間に指先に力を加える。これで技術的に制球が安定すれば、メンタル面でも変身ぶりを披露した。

 走者を出しても決して慌てない。5回だ。無死から金沢に右前打を許し、初めて先頭打者を塁に。金沢はリードを大きくとるなど揺さぶりをかけてきた。続く里崎に2球を投じると、直後に3球続けてけん制球。走者を封じ込めながら、里崎を135キロツーシームで三ゴロ併殺打に仕留めた。前回はマウンド上で自分を見失い、盗塁を許したシーンでは1・7秒だったクイックモーションも1・2秒台の合格点。「いい時も悪い時もあるけれど、ガッカリするより前を見よう」――。大好きな言葉を胸にビデオで研究を重ね、ブルペンでもクイックを意識して練習し続けた成果が出た。

 最速は142キロ。数字は前回と同じでも、甘く真ん中に集まった制球面は改善され、内角と外角に丁寧に投げ分けた。「指にしっかりかかって、スピードは出ていなくても差し込める球が投げられた」。緩急を自在に操り、実戦では初めて106キロのスローカーブを試投。チェンジアップが高めに抜ける場面には「まだ甘い球がある。次までには修正したい」と、次回登板の4月3日、楽天との慈善試合(札幌ドーム)へ課題を口にした。

 打たれても抑えてもプロ1年目は勉強の連続。「パ・リーグは打席に立つこともないし、9回をしっかり投げられるようにしたい」と、シーズンでは完投能力も追い求めていく。梨田監督もあらためてローテーションの一角であることを明言。4・17ロッテ戦での公式戦デビューに向けて、斎藤の伸びしろはまだまだある。

 ▼日本ハム・鶴岡 各打者ごとにパターンを変えて変化球を求めたけれど、(斎藤はリードに)ついてきてくれた。無理に力勝負もしなかったし、かわすところはかわす、内角に突っ込むべきところも突っ込んできた。

 【ロッテ打線の反応】

 ▼サブロー 賢い投手。内角にスライダーを投げたりいろいろと試していた。二塁打は左飛と思った。

 ▼ロッテ福浦 シーズンに入らないと分からないが、コントロールがいいと感じた。

 ▼大松 うまく打者に狙い球を絞らせないよう、開幕を想定しているようだった。名護のときよりもフォームが大きくなった。

 ▼今江 テレビで巨人戦で投げているところを見てツーシームが多いと思っていた。クイックも速いしシーズンでの対戦が楽しみ。

 ▼荻野貴 真っすぐに切れがあったし、少し変化もしていた。次回対戦では打ちたい。

 ▼清田 ちゃんと内角と外角を投げ分けていた。直球は微妙に動いている。

 ▼井口 コントロールがいいし、崩れるタイプではなさそう。公式戦で当たるのが楽しみですね。

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