スコアボード上に半旗掲げ 華やかな応援禁止

[ 2011年3月23日 12:27 ]

第83回選抜高校野球

 開会式は黙とうで始まり、グラウンドの選手たちの袖には喪章がつけられた。被災地の犠牲者の冥福を祈り、スコアボード上に半旗が掲げられた。

 東日本大震災の被災者に配慮し、日本高野連が楽器などによる華やかな応援を禁止した今大会。大阪府箕面市から観戦に訪れた桑田俊三さん(65)は「東北の学校と応援に差がつくのは気の毒だけど。ちょっと寂しいね」としんみり話した。

 開会式の行進曲は生演奏がなかった。東北高(宮城)ら被災地にある高校はひときわ大きな拍手で迎えられた。

 大会開催の可否さえ問われた中、応援自粛に反対する意見は少ない。阪神大震災から2カ月後の95年大会も鳴り物はなかった。開幕試合で応援した日本文理高(新潟)の吹奏楽部、笠巻海音さん(17)は「すごく悔しいです。音を飛ばして選手を後押ししたかった」。猛練習してきた選手別のテーマ曲を歌い、楽器をメガホンに持ち替えて応援した。

 「球児の夢を奪うな」を合言葉に開催が決まったこの大会。被災地への思いと球児たちの夢が交錯する特別な大会がスタートした。

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2011年3月23日のニュース