星野監督 セに苦言「停電だけ考えて…次元低い」

[ 2011年3月21日 06:00 ]

新幹線で神戸に移動する星野監督

 楽天・星野監督(64)が被災地に思いやりを欠く理事会の決定に苦言を呈した。セ・リーグは19日の緊急理事会で開幕の延期を決めたが、わずか4日。本当に議論を尽くした結果なのか。これでは闘将も黙っていられない。怒りの矛先はまず、加藤良三コミッショナーに向けられた。

 星野監督「6、7時間もかかって、あんな茶番。俺なら30分で決められるよ。日程のケツを決めるからダメなんだ。5、6試合ダブルヘッダーをやってもいいし、日本シリーズを12月にやってもいい。コミッショナーは芯があっていい人だけど、しっかり決めないといかん」

 セ・リーグの変更が関東地方の停電だけを考慮したものだったことにも、吠えずにはいられなかった。

 星野監督「停電の問題だけ考えて話し合うのは次元が低い。9回で試合打ち切りなんて小さなこと。原発のこともある。被災地に油が届かなくて、福島の人は涙目で語りかけていただろう。有事なのに、平時で物事を考えているからいけない」

 球団フロントが決定権を持っているとはいえ、各球団の監督も発言が少なすぎる。現場の最高責任者として、選手を後押しする必要性も説いた。

 星野監督「セ・リーグの監督は何にも言わんな。巨人の監督は立場的に難しいのかもしれないけど、俺なら野球界のために言うよ。どんどん言ったらいい」

 理事会の決定はプロ野球界を衰退させかねない。しかし、選手がその危機を救っている。星野監督も選手会の考えを全面的に支持している。

 星野監督「背広組は選手に救われているよ。(宮本)慎也も言っていたけど、今は勇気を与えるとかいう次元ではない。選手の意見はまっとう」

 緊急事態になった時、組織の本当の力が試される。被災地やファンを軽視したセ・リーグの決定。被災球団で発言が難しい星野監督も黙っていられなかった。闘将の声が事態を「より良い」方向へ修正するきっかけになればいい。

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2011年3月21日のニュース