セも延期!29日開幕 延長戦なし、減灯ナイターで

[ 2011年3月20日 06:00 ]

<セ・リーグ緊急理事会>緊急理事会を終えた巨人・清武球団代表兼編成本部長は大勢の報道陣に囲まれる

 やっぱり延期!セは苦心の3・29開幕となった。セ・リーグは19日、都内の巨人球団事務所で臨時理事会を開き、25日の公式戦開幕を29日まで延期すると発表した。17日の開幕日程発表からわずか2日。殺到する批判と、日本野球機構(NPB)の監督官庁である文部科学省から強い節電要請を受けての方針転換となった。パの5カードに対して延期を1カードにとどめ、リーグ独自の節電対策も講じるなど苦肉の延期となった。

 午後2時から始まったセの緊急理事会は4時間以上紛糾した。終了後も選手会への説明に手間取り、午後7時前には都心で震度4の地震も。ようやく新(あたらし)純生理事長(ヤクルト球団常務)が声明文を配ったのは午後9時すぎ。球団事務所前の路上が約100人の報道陣で騒然とする中、3月29日への開幕延期が発表された。

 声明文には、ファンへ向けて「例年と大きく異なるプロ野球となることでしょう」とあった。そして6項目にわたった節電対策。延期を最小限にとどめようという苦悩ぶりが表れていた。

 25日開幕を17日に発表してすぐ批判の声が殺到し、翌18日に文科省からの節電要請が届いた。加藤良三コミッショナーが掲げた開催条件の一つが「政府と監督官庁の指示に従う」。開幕日再考を余儀なくされ、理事会は文科省幹部と連絡しながら異例の形で進んだ。

 その中で文科省幹部は特に4月3日までは電力消費を控え、東京電力管内での大規模節電を求めたという。まず節電対策を念頭に置き、6球団は144試合とクライマックス・シリーズをやり抜くことでは一致。ただ、延期の期間については最後の最後までもめた。新理事長は「文科省の指導に沿う形にした」と説明したが、ヤクルト・堀澄也オーナーの強い意向からパと同じ4月12日開幕を断固として主張。新理事長はヤクルト球団の幹部の立場から「ヤクルトグループも東北で被害を受けて時期を遅らせてほしいと一貫して言ってきた。多数決ではないが、多勢の意見で決まった」と苦渋の表情を見せた。
 週明けにはセ、パの代表者が文科省へ節電案を持参し説明する。混乱の中、異例の形で球音が響こうとしている。

 ▽文科省の通達 日本野球機構(NPB)の監督官庁である文部科学省は18日、加藤良三コミッショナー宛てに試合開催における節電要請を文書で通達。電力の安定供給が確保できるまでの間「可能な限り東京、東北電力管内以外の地域での試合開催」と「同管内でのナイター自粛」を強く求めた。なお球団本拠地ではKスタ宮城(楽天)、東京ドーム(巨人)、神宮(ヤクルト)、横浜(横浜)、西武ドーム(西武)、QVCマリン(ロッテ)の6球場がこれに該当する。

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