報徳のイチロー エースナンバーで甲子園に戻る

[ 2011年3月20日 06:00 ]

<甲子園練習>永田監督が見守る前で投球練習をする報徳学園・田村

第83回選抜高校野球大会

 報徳学園のイチローがエースナンバーを背負って聖地に帰ってきた。

 1年生ながら昨夏の甲子園で4強入りに貢献した田村が、ブルペンとマウンドからの投球練習で約30球。マリナーズ・イチローにちなんで「伊知郎」と名付けられた右腕は「一生懸命、泥臭い野球を目指している。それを見せられたら」。16年前の阪神・淡路大震災直後のセンバツでも指揮を執った永田裕治監督は「複雑な心境。ただ、僕らができることは一生懸命にやることだけ。これは16年前も今も変わりません」と話した。

 <九州学院 萩原“大きくなって”帰ってきた>主砲が一回り大きくなって帰ってきた。4番・萩原は昨夏に甲子園で本塁打を放っているが、その後は「ホームランを打たなければ、とプレッシャーをかけてしまった」。昨秋は打率・214の不振に。その後は打ちたいという欲を捨て、山道の走り込みで体重も5キロ増えた。この日のシート打撃では2打席とも外野の間を抜く長打。「打点を多く稼ぐのが目標。その中で本塁打も打てれば」と自らの打棒でチームを上位に導く。

 <城南 竹内好調!左翼へ一発>自慢の強打で好投手を打ち崩す。投げてはエース、打っては高校通算26本塁打の竹内は、打撃練習で左翼席への一発を放ち「調子は上がっています」と笑顔。さらに「1年生の時から活躍している田村君と対戦できるのは楽しみ」と、1回戦でぶつかる報徳学園(兵庫)の2年生エースとの対決を待ち望んた。昨秋のチーム打率は・347。森恭仁監督は「ウチは打線が売りのチーム。竹内がかすむくらい、前後が活躍すれば」と話した。

 <天理 義弟が被災の森川監督「感謝」>昨秋の近畿大会王者は、水城(茨城)に続く2番目に甲子園練習を行った。4年連続21回目の出場の強豪。チーム状態について森川芳夫監督は「一番疲れている時期なので、これから少しずつ調整します」と話した。今回の震災では義理の弟が福島県内で被災。指揮官は「丸2日間、連絡が取れずに心配した。選手たちは不自由なく野球をやらせてもらえることに感謝していると思う」と力を込めた。

 <関西 2枚看板本番へ向け順調>昨秋の中国大会覇者をけん引する2枚看板は、本番へ向け順調だ。昨秋の公式戦で防御率0・85をマークした、最速145キロを誇る左腕エース・堅田は「甲子園にまた戻って来られた。勝てる投球をし、(1回戦敗退の)去年の借りを返したい」。本職は遊撃手ながら、昨秋6試合に登板して防御率0・30の右腕・水原も「打撃では毎試合3安打を打って、マウンドに登った時には堅田より良い投球ができるようにしたい」と話した。

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2011年3月20日のニュース