水城 被災地から元気に!センバツ練習“一番乗り”

[ 2011年3月20日 06:00 ]

<甲子園練習>ナインがノックを受ける中、キャッチボールを行う水城のエース・佐藤賢

 第83回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催)に出場する16校が19日、甲子園球場で練習をスタートさせた。東日本大震災の影響で開催が危ぶまれたが、前日に予定通り23日に開幕することが決定。この日は被災地の茨城・水城が出場32校の先陣を切って、午前8時30分から憧れの甲子園で汗を流した。

【日程】

 きれいに整地された甲子園のグラウンド。一塁ベンチ前に整列した水城ナインは、まず被災地へ黙とうをささげた。午前8時30分。練習開始を告げるサイレンが鳴る前に、選手は野球ができる喜びをかみしめながら一斉に聖地へと飛び出した。出場32校のトップを切っての甲子園練習。元気な声が銀傘に響き渡った。

 「憧れの甲子園に来た実感が湧いた。気持ちが高ぶっています。野球をやらせてもらえる環境をつくってもらえたので、一生懸命プレーしたい」。主将の飛田は興奮気味に話した。

 東日本大震災の影響で、水戸市内の校舎は柱に亀裂が入るなど一部が崩壊。グラウンドも浸水した。チームは16日に大阪入り。17、18日には大阪府吹田市内のグラウンドで本格的な練習を再開したものの、実戦はほとんどできていない。この日は守備練習に多くの時間を割いたが「本当に(動きが)硬いですね」と橋本実監督も苦笑い。それも致し方ない。精いっぱいのプレーを。水城ナインの思いはひとつだ。

 「自分たちがハツラツと一生懸命やることが、責任を果たすことになる。そういうプレーを見てもらい、(被災地の方に)元気になってもらえればいい」と橋本監督。学校では応援ツアー参加者の募集を開始。学校関係者は「今の状況では何人集まるか分かりませんが、応援に行きます」と話した。「がんばろう!日本」の大会スローガンのもと、水城ナインが甲子園から被災地に、そして全国にとびきりの元気を届ける。

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