“イチ億円”が動かした!マリナーズも義援金

[ 2011年3月20日 06:00 ]

<マリナーズ・ダイアモンドバックス>5回、二ゴロ併殺に打ち取られるイチロー

オープン戦 マリナーズ5―8Dバックス

(3月18日 ピオリア)
 マリナーズのイチロー外野手(37)が球団をも動かした。17日(日本時間18日)にイチローが東日本大震災への義援金として日本人プロスポーツ選手史上最高額となる1億円を寄付したことを受け、一夜明けた18日(同19日)にマ軍も支援策を発表。大リーグ球団最大級の20万ドル(約1640万円)以上の義援金が米国赤十字を通じて送られることになった。イチローは今回の自らの行動に続いて、救済の輪が広がることを願っているとみられ、早くも所属球団が呼応した。

 イチローに、マ軍も続いた。この日、球団は東日本大震災の被災者への支援策として、本拠地開幕戦となる4月8日(日本時間9日)インディアンス戦からのホーム6連戦で義援金を募ると発表した。ハワード・リンカーンCEO(最高経営責任者)は「マリナーズは素晴らしい日本のファンのサポートを受け続けている。復興への道程を心より支援したい」とのコメントを添えた。

 同6連戦では入場ゲートや球場内でファンからの義援金を募り、球団職員ら関係者も供出する。集まった金額と同額をマ軍も寄付するが、募金総額にかかわらず最低でも10万ドル(約820万円)を保証。さらに、共同オーナー会社の米国任天堂も同額を寄付する。これにより、ファンからの募金額に関係なく、計20万ドル(約1640万円)が最低保証されることになる。9日(同10日)には選手のサイン入りグッズのオークションも開催され、義援金は全て米国赤十字社を通じて被災地に送られる。日本では被災地の仙台を本拠地とする楽天の親会社が3億円の寄付を公表した。国内では巨人が3000万円、阪神、横浜が1000万円など球団単位での義援金を発表。マ軍でも最終的に3000万円近くになる可能性もあり、異国の球団ながら日本の球団と双璧の手厚い支援となりそうだ。

 前日に1億円の寄付を所属事務所を通じて公表したイチローは、この日もコメントは控えた。ただ事務所関係者は「今回は例外的なケースです。日本の国そのものが大きな苦境に立たされているから」と説明。これまで自身が行ってきたさまざまなチャリティー活動を自ら公表することは避けてきたが、今回あえて踏み込んだのは自分から支援の輪が広がってほしいとの願いがあるとみられる。バットマンとして米球界に金字塔を打ち立ててきたイチローだからこそ持つ強い発信力。今後の米球界からの復興支援に大きく波及していく。

 ≪3試合連続無安打も心配なし?≫18日のイチローはオープン戦では3試合連続無安打に終わった。初回に四球を選んだ後は、2打席とも二ゴロ。早いカウントから仕掛けたが微妙にバットの芯を外された。ただ、午前中のフリー打撃では55スイングで今キャンプ最多の18本の柵越えを放つなど、調整に不安はなさそうだ。

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2011年3月20日のニュース