25日開幕に選手複雑…新井会長「残念、悔しい」 

[ 2011年3月17日 21:36 ]

 一貫して、両リーグの開幕延期を訴えてきた。日本プロ野球選手会の新井貴浩会長(阪神)は「要望が受け入れられず、残念。悔しい」と唇をかんだ。

 球団側が主張する野球で被災者を勇気づけるという考えは、選手も同じだ。ただ被害が拡大する中での開幕に対しては、時期尚早との意見が多かった。

 母親ら親族が宮城県石巻市で被災した横浜の新沼慎二選手は「個人的には、何で(両リーグに)差があるのか分からない。プロ野球は12球団で、6球団だけではない」と足並みの乱れを嘆く。

 18日には各球団の選手会が再度話し合いの場を持ち、意見を集約する。新井は「ボイコットの可能性もゼロではない」と含みを持たせつつも「選手もファンも望んでいない。悲しむのはファン」。ヤクルトの宮本慎也選手も「常識的に考えたら(ボイコットは)ない」と言う。複雑な思いを抱え、25日のグラウンドに立つ。

 ロッテのサブロー選手はセ・リーグの選手を思いやり「やるべきじゃないと思っている中で、無理やりやらされる感じになる。かわいそう」と声を落とした。

 ▼日本プロ野球選手会・新井貴浩会長(阪神)の話 残念。悔しい。被災された方、まだ今も安否不明の方、避難所で生活されている方のことを思うと、本当にいま開幕していいのかというのが、選手会の総意。時期が早すぎる。 ソフトバンク・秋山幸二監督の話 チームとしてその開幕に合わせて調整し、万全な形でシーズンに入っていきたい。震災を受けられた方、ファンの方に少しでも元気と勇気を与えられるように頑張りたいと思います。

 ▼広島・石原慶幸選手会長の話 今の状況でやるというのは複雑。(選手は)みんな同じ気持ちだと思う。気持ち的に整理がつかない。

 ▼オリックス・岸田護選手会長の話 選手間でも話しましたが、被災地の様子を見ていると、予定通り開幕というのは、適当ではないと思っています。

 ▼楽天・嶋基宏選手会長の話 被災された方のことを考えると何を申し上げていいか分かりません。いまは野球に集中するのが難しい。ただ開幕が決まったことで、それに向けて一つにまとまらないと。

 ▼ソフトバンク・川崎宗則選手会長の話 「パ・リーグが開幕してよかったな」と思っていただけるような全力プレーをお見せできるよう、しっかりと準備していきたい。また被災者の皆さんへの支援も、われわれにできることを考え、しっかりと続けていきたい。

 ▼阪神・鳥谷敬選手会長の話 要望が受け入れられず残念。ほかの選手の意見も聞きながら、今後の対応を相談していきたい。ただ一方で、いつ開幕しても最高のパフォーマンスをファンの前でできるように、準備だけは選手一同しっかりとしたい。

 ▼横浜・新沼慎二選手会長の話 選手会の意見を聞いてから考えたいので、今はまだ何も言えない。個人的には、なんで(両リーグに)差があるのか分からない。日本のプロ野球は12球団で、6球団だけではないと思う。

 ▼中日・森野将彦選手会長の話 球団から25日の開幕で協力してくれということだったので快諾した。多くの人に来てもらえれば、募金にもつながると思う。野球を通じて力になれると信じている。

 ▼日本ハム・田中賢介選手会長の話 パ・リーグの開幕延期については、被災地の状況や選手の思いを十分理解していただいたと率直に思う。北海道から支援の輪を広げていけるような活動をできる限りやっていくつもりです。

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2011年3月17日のニュース