心労で眠れない斎藤「東北という文字が心に染みた」

[ 2011年3月14日 09:47 ]

試合開始前、東日本大震災の犠牲者を悼んで黙とうをささげる仙台市出身のブルワーズ・斎藤(右から2人目)ら

 ブルワーズの斎藤は13日、メリーベールでのロイヤルズ戦に先発して1回を投げ、4安打2三振で2失点だった。勝敗はつかず、チームは7―5で勝った。

 東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市出身の斎藤が13日、震災発生後初めてオープン戦に出場した。犠牲となった人々への黙とうがささげられた後、いまだに連絡が取れない親族や友人らへの思いを胸に、ロイヤルズ戦のマウンドに立った。

 帰郷も視野に入れていたが、復興に向けて動き始めた両親から電話で「隆、大丈夫だ」と何度も言われたという。斎藤は「キャンプを続けようと決断した。それを一番強く願うのが仙台にいる家族だから」と語気を強めた。

 それでも、めいの1人は消息が分からず、ともに甲子園出場を果たした宮城・東北高の同級生にも連絡の取れないメンバーがいるという。心労で睡眠や調整が十分ではなく、この日は1回を投げて2点を失った。14日から全体練習に復帰し、3月31日の開幕へ万全を期す覚悟だ。

 観客席では、数週間前に飲食店で居合わせ、親切にされたという日本人留学生が「僕らにできることはこれぐらい」と「東北 ガンバレ」と記した手製の応援ボードを掲げた。斎藤は「東北という文字が心に染みた」と言って頭を下げた。(共同)

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2011年3月14日のニュース