内川 目覚めた!古巣戦で3の3!1号も

[ 2011年3月11日 06:00 ]

<横・ソ>1回、ソロ本塁打を放つソフトバンクの内川。古巣・横浜相手に3安打と気を吐いた

オープン戦 ソフトバンク4―2横浜

(3月10日 北九州)
 ソフトバンクの内川聖一外野手(28)が10日、古巣・横浜相手のオープン戦でFA移籍後初本塁打を含む、3打数3安打2打点と爆発した。当初は打撃不振に苦しみ、8日の巨人戦(ヤフードーム)まで1割台だった打率はここにきて・286まで急上昇。08年にはシーズン右打者最高打率・378を残したヒットマンが、ようやくその実力を発揮し始めた。
【試合結果】

 苦しんでいた安打製造機が、10年間を過ごした古巣相手にきっかけをつかんだ。

 「意識をしないと言えばうそになる。10年間在籍したチームだし(横浜で)やった結果を見せる意味でも、重要な試合でした」。古巣を相手にオープン戦1号を含む3安打2打点。見事な恩返しぶりに内川は照れくさそうに笑った。

 「迷いがなくなってきた。タイミングの合わせ方も良かった。流れをつくり、打席に立つことができました」

 初回2死。左腕の真ん中に入ってくるスライダーを左翼席上段まで運んだ。「いい当たりだったよね。いいんじゃない」と秋山監督も振り返ったが、シーズン右打者最高打率・378の記録保持者の真骨頂はここからだ。3回1死二塁では変化球に的を絞って外角チェンジアップを中前へ。5回1死では直球を狙って初球を左前に落とした。相手がどう攻めてくるかを読み切って、あらゆる球種に対応。2日前まで1割台だった打率は・286まで跳ね上がった。

 スロースターターを自認する。昨季もオープン戦打率は・146だった。今オープン戦も開幕から3試合8打数無安打だったが、新天地で結果を求めてフォームを乱した。しかし早出特打などで、ようやく復調気配となり、立花打撃コーチも「左足をしっかりと(体の内側へ)入れることで、トップの位置がぴたりと止まる。戻ってきた」と好調時に戻りつつあることを認めた。さらに、横浜時代から契約するメンタルトレーナー・武野顕吾さんを週に3日、福岡に呼び寄せた。ナイター時は試合開始の7時間以上前に球場入り。前日までの自分の打席などを振り返る。「思い出し、口にすることで自分の引き出しになる」と武野トレーナー。そんな積み重ねで移籍の重圧からようやく解放されつつある。

 「きょうぐらいしっかりバットを出していければいい」と内川。その表情はすっかり自信に満ちあふれていた。

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2011年3月11日のニュース