斎藤“坂本覚悟!”ケンカ投法で内角をえぐる!

[ 2011年3月5日 06:00 ]

捕手を座らせ、強めのキャッチボールをする斎藤

 日本ハムのドラフト1位右腕・斎藤佑樹投手(22=早大)が、オープン戦3試合目の登板となる6日の巨人戦(札幌ドーム)から内角球を解禁する。4日の札幌ドームでの全体練習後に明かしたもので、09年11月のプロアマ交流戦「U―26NPB選抜VS大学日本代表」以来となる巨人・坂本勇人内野手(22)との同学年対決では胸元をえぐるケンカ投法も宣言。プロ1年目、手探りの投球を続けてきた斎藤が、ついに「本気」をみせる。

 キャンプイン目前の1月31日。「マウンドに上がったら、僕は豹変(ひょうへん)します」と話した斎藤が、6日についにその姿をファンの前にさらす。涼しい顔で打者の胸元をえぐる。巨人の重量打線を相手に、斎藤は本来の投球スタイルを解禁する。

 「巨人は1~9番まで強打者がそろっている。気を引き締めていかないといけない。内角いきますよ。巨人だから内を突きます」

 ここまで練習試合、オープン戦の実戦計3試合で4回を2安打無失点。全57球を投じたが、その内容は外角直球を基本としたもので、内角球は1球もなし。実は2日のヤクルト戦(札幌ドーム)で捕手の大野から1球だけ内角のサインが出されていたが、逆球となり外角にいった。斎藤が外一辺倒の配球でプロの打者と対じしてきた背景には、自分の直球がどこまで通用するのか。投手の基本は外角低めの直球という明確なテーマを持って臨んだ結果だった。

 そして、外角にきっちり制球できれば、プロでも打たれないと確信できた。それならば、もう一段上のステージに進む。プロの打者にどれだけ胸元へ投げ込めるか。シーズンに入れば外角だけで通用するほど甘くない。吉井投手コーチも「外角低めにきちんと制球できずに他のことをやっても仕方ないが、それが(斎藤は)できている。そろそろ内角攻めもやった方がいい」と後押しした。

 「あいつは内角が強そうですね。どうやって攻めるか考えます」。もちろん、注目が集まる同じ1988年生まれの坂本との対決でも、その意思は変わらない。坂本といえば、体を軸回転させてさばく内角打ちは球界トップクラス。それでも斎藤の生命線である外角直球とスライダーを生かすために、あえて内角を突く。

 早実のエース、光星学院の主砲として両雄は06年春の甲子園に出場したが、直接対決はなかった。ひと足先にプロの扉を叩いた坂本とは09年11月22日のプロアマ交流戦で1度対戦。しかし、その結果は完敗。直球で追い込みながら外角スライダーを左前へ運ばれた。

 「あのときは1イニングの予定だったし、大学生という立場で凄く抑えたい気持ちがあった。でも、(自分も)プロに来たら同じ立場でできると思うので楽しみ」と再戦へ心を躍らせると同時に、静かに闘志を燃やした。

 そのための準備も万端だ。この日はブルペンで51球を投げ、「だんだん球が良くなってきている」と手応え。同戦は3イニング、50球前後がメド。「群馬出身なので子供の頃は巨人戦のテレビ中継を見ていた」。坂本だけではない。小笠原、ラミレス、阿部、長野、亀井。斎藤にとっては最高の腕試しとなる。

 ≪坂本は意識せず≫斎藤との再戦を前に、巨人・坂本はポーカーフェースを貫いた。2年前のプロアマ戦については「打ったのはスライダー。たしかボール気味だったと思います」と記憶の糸をたぐりながらも、「同級生というけど、意識はしていません。ただ、自分のいいところが出せるようにしたいですね」。2日の西武戦(東京ドーム)では、大石から中前打を放っており、大卒の新人組にプロでは4年先輩としての力を見せるだけ。原監督は斎藤との対戦に「楽しみですね。それ以上は評論家ではないので」と話すにとどまった。

 ☆斎藤のU―26NPB選抜VS大学日本代表 早大3年時の09年11月22日(東京ドーム)、セ・パ両リーグ誕生60周年記念としてプロ選抜と大学日本代表が史上初の対戦。4万1025人の観衆を集め、斎藤は歴史的一戦で先発登板した。先頭の巨人・坂本には2ストライクと追い込みながら左前打を許すと、続く松本は四球。2死三塁から4番の阪神・新井に右前打を浴び、1回を打者5人に18球。2安打1失点で降板した。坂本と新井に最速146キロを計測し「直球の走りには納得できた」と本人も納得の表情。プロの打者の印象については「パワーの違いは感じたが、圧倒的なものはなかった」と手応えを口にした。

続きを表示

2011年3月5日のニュース