沢村4回4K無失点!新人開幕投手もある!

[ 2011年3月3日 06:00 ]

<巨・西>フォークを投げる巨人先発の沢村

オープン戦 巨人3―2西武

(3月2日 東京ドーム)
 巨人のドラフト1位・沢村拓一投手(22=中大)が2日、西武を相手に本拠地でオープン戦初先発して4回1安打無失点で4三振を奪った。風格すら感じさせる投球内容で、球団49年ぶりの新人開幕投手の可能性も出てきた。
【試合結果】

 東京ドームに詰めかけた3万4722人の観客がどよめいた。それだけ衝撃の本拠地先発デビュー戦だった。

 「オープン戦にもかかわらずこれだけ多くのお客さんが来てくれた。期待に応える投球をしようと思った」。最速149キロにカーブ、スライダーも駆使して4回無失点4三振。初々しい表情で振り返ったが、マウンドでは別人の強心臓だった。

 次々とストライクを先行させて先手を奪った。13人中10人を3球以内で追い込む攻撃的な投球。圧巻はWBC日本代表の中島への投球だ。オール直球の真っ向勝負。3ボールからフルカウントにすると外角低めの147キロの直球で見逃し三振に斬った。「フルカウントから四球ぐらいなら思いっきり投げようと思った。走者を出してからが投手の仕事ですから」。この度胸。胸を張って小走りでベンチへ戻った。

 予期せぬ事態にも動じなかった。初回に先頭の浅村をスライダーで二ゴロ、秋山も初球のスライダーでストライクを取ったが、捕手の阿部は驚いた様子でミットを出した。沢村のサインミス。4球目の直球を投げ終え、阿部がたまらずタイムを取ってマウンドへ駆け寄ったが、沢村は冷静だった。「ドームは2回目だったけど物凄くサインが見にくかったので阿部さんにサインを変えてもらった」。股の下で阿部の指から読み取る形から、ブロックサインに切り替えるよう自ら要求した。

 限られた投球数で何イニング投げられるか。首脳陣のテストに満点回答だ。54球中40球がストライク。4回で54球は9回に換算すれば121球相当。完投能力も実証した。早打ちを誘うカーブも有効に使った。2回にG・G・佐藤を初球で空振りを取り、大島も2球目に三邪飛で4回2死まで完全投球。「カーブはキャンプから取り組んでいたので少しでもできてよかった」と手応えを口にした。

 原監督は「最高だと思う。自分のスタイルで投球ができているのが素晴らしい。(開幕ローテーション入りは)いい位置ですね」と絶賛。オープン戦の投球次第では62年の城之内邦雄氏以来球団49年ぶりの新人開幕投手も見えてきた。次回は12日のオリックス戦(京セラドーム)に登板予定。19日のロッテ戦(甲府)で登板の可能性があり、中5日で25日・横浜戦(東京ドーム)の開幕投手も現実味を帯びる。

 「もっと投げ込めば切れも速さも出る」。座右の銘は「猪突猛進」。前だけを見て突き進む黄金ルーキーの本領発揮はこれからだ。

続きを表示

この記事のフォト

2011年3月3日のニュース