和田3球三振!摂津、先発転向へ“球数節約”

[ 2011年3月2日 12:02 ]

4回1イニングを三者三振に抑えた摂津

オープン戦 ソフトバンク3-4中日

(3月1日 ヤフードーム)
 今季から先発に転向するソフトバンクの摂津正投手(28)が1日、中日戦で調整登板し、昨季のセ・リーグMVP・和田一浩外野手(38)を3球三振など、3者連続三振で1回無安打無失点に抑えた。スタミナ配分のため、球数を少なく打者を打ち取る配球も万全。5日のヤクルト戦(ヤフードーム)でのプロ初先発に向けて弾みをつけた。

 セのMVP男が思わず苦笑いした。4回だ。2ストライクから摂津の3球目は外角低めいっぱいに決まった。見逃し三振。さらに新外国人グスマンは空振り三振、ブランコは再び3球三振と昨季セ王者の主軸をいとも簡単に手玉に取った。

 「狙ったところへほとんどボールが行った。3球勝負は長い回を投げるためには、どんどん早めの勝負をしていかなければいけませんから」

 2年連続70試合以上に登板した鉄腕は今季先発に転向する。中継ぎと違って長いイニングを任せられる先発で、一番不安視しているのがスタミナだった。2月23日、韓国KIAとの練習試合(宮崎)では変化球の制球に苦しんだが、細川から「もう少し、ストライクを簡単に取ろう」と助言を受けた。中継ぎでは全ての球をコースいっぱいに投げてきたが、先発では簡単にストライクを取りに行くことも必要であることを学んだ。

 この日は3人に13球を投げた。カウント球はボール半個~1個分、内側へ投げ込み、ファウルを5球打たせた。野球の基本はボール球とストライクゾーンの出し入れで勝負するが、摂津はストライクゾーンの中で出し入れした。「甘めから入り、そこから広げて行った方が投手は楽ですから」とは細川。甘い球でカウントを稼いで、和田には外角低め140キロ、グスマンは内角低め137キロ、最後はブランコへ外角低め137キロ。決め球は全部、ストライクとボールの境界線へ投げ込んだ。抜群の制球力があるからこそできる技だった。

 先発転向を正式に伝えられたのは1月29日。自主トレ中も準備をしていたわけではない。だが、制球力という自分自身の長所を生かして、先発でも十分やれることを示した。「順調です。もう少し、直球が走ればいい」と話す摂津は中3日で5日のヤクルト戦でプロ初先発する。もう不安はない。先発濃厚な開幕2戦目の3・26、オリックス戦(ヤフードーム)まで一気に突っ走る。

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2011年3月2日のニュース