信濃の怪腕 NPB熱望「行けなければ野球やめる」

[ 2011年3月2日 11:14 ]

初日からブルペンに入り、精力的に投げ込んだ給前

 BCリーグの信濃グランセローズが1日、ホームの中野市営球場でキャンプインした。セレモニーでは佐野嘉幸監督(66)と松本匡礼主将(24)があいさつに立ち、ファンに初優勝を誓った。チームでただ1人、5年前の創設からの生え抜き選手、給前信吾投手(25)は初日からブルペン入り。背水の覚悟で臨むシーズンに向け、精力的に投げ込んだ。

 中野市営球場に4カ月ぶりの球音が戻ってきた。

 午前9時に始まったセレモニーでは、ナインがマウンド前に整列。マイクの前に立った佐野監督は「キャンプでしっかり鍛え、悲願の初優勝に向けて全員で頑張ります」と、スタンドに訪れたファンにあいさつした。続いて松本主将が「今年こそ勝たなければいけないと選手も思っている。意識を高く持ってやっていきます」と力強く宣言した。

 初優勝を狙うチームにあって、誰よりも強い気持ちでキャンプに臨むのがエースの給前だ。「上(NPB)に行けなければ今年で野球をやめる」と公言し、自ら“ラストイヤー”と位置づける。初日から早速ブルペン入り。変化球を交えながら86球を投げ込み「体の状態は8割、技術的には7割ぐらいの状態。ここまでの調整は思惑通りに来ている」と満足そうに話した。

 力のある直球と多彩な変化球を併せ持つが、投球の幅をさらに広げるため、昨年までほとんど投げなかったカットボールの習得にも取り組んでいる。酒井コーチからリリースポイントのアドバイスを受け「意外にしっくりきた」。この日も15球程度投げ込み「いい感じです」と笑顔を見せた。

 投手陣の精神的支柱として、新人にも積極的にアドバイスしている。すでに篠田や佐々木にツーシームの投げ方を伝授。「教えられることは何でも教えるし、それがチームのためにもなる」とリーダーの自覚も十分だ。今季の目標に15勝、防御率1点台を掲げ「このぐらいの数字を残さなければ上に行けない」。背水のシーズンに向け、覚悟のほどは十分だ。

 ◆給前 信吾(きゅうぜん・しんご)1985年10月22日生まれ。神奈川出身。身長1メートル71、体重68キロ。右投げ左打ち。03年夏の甲子園に横浜商大高のエースとして出場。小柄ながら140キロ中盤に達する直球の威力が魅力。

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2011年3月2日のニュース