“逆らわない”中田、進化証明OP戦1号

[ 2011年2月28日 06:00 ]

<日・楽>7回無死中田は本塁打を放つ

オープン戦 日本ハム2―1楽天

(2月27日 名護)
 名護の浜風に乗った打球は右中間スタンドに飛び込んだ。7回だ。先頭で打席に入った日本ハム・中田は代わったばかりの左腕・佐竹の外角直球を見逃さなかった。

 「自分の求めていた打球だったので…。投手が代わったところを初球から打ちにいけたのは良かった」。オープン戦8打席目にしての初安打だったが、これで12日の練習試合・広島戦(沖縄市)から実戦10試合で6発。ルーキー時代から、一線級の投手が仕上がっていないこの時期は毎年結果を残してきた。しかし、今季は中身が違う。6発中5発が中堅から右方向。昨季は1軍で9本塁打したが、全て中堅から左方向(中2、左7)で、オープン戦の3発も全て左方向だった。打球方向の変化こそが進化の証明。パワーだけでなく、右脇を締める新フォームでコースに逆らわない対応力が身についた。

 打撃技術のレベルアップ以上に、野球に取り組む姿勢も大きく成長した。福良ヘッドコーチは「これまでよりも人の話に聞く耳を持つようになったし、練習でも1打席ごとにアドバイスを求めてくる」と証言する。

 この一発には伏線があった。5打席凡退に終わった26日のロッテ戦(名護)の第3打席。2ボール1ストライクからの内角直球を腰砕けのように空振りした。この日の練習中に福良ヘッドから「むちゃ振り」を指摘されたが、すぐに修正。2回の第1打席の中飛も野手の正面に飛んだが、力みのないスイングから放たれた強烈な打球だった。

 梨田監督も目を細めた。「昨年までは3日というより1日坊主だった。今年はキャンプ初日の練習態度を見て継続できればと思った。われわれは本塁打を打ったとかより、打撃の形や内容を見ているからね」。勝負の4年目。現在の体重は90キロでキャンプイン時から比べると4キロ減ったというが、首脳陣からの信頼は格段に増した。3月2日には本拠地に戻る。心身ともに成長した中田の姿を札幌のファンも心待ちにしている。

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