やっぱり持ってる斎藤!ピンチも1回無失点

[ 2011年2月27日 06:00 ]

<日・ロ>1イニングを無失点で切り抜けた斎藤

オープン戦 日本ハム9―8ロッテ

(2月26日 名護)
 日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22=早大)が26日、ロッテとのオープン戦に初登板して、中継ぎで1回を1安打1四球ながら無失点に抑えた。昨年の日本一打線を相手に6回から3番手で登板した右腕は、四球と二塁打を許して1死二、三塁のピンチを招いたが後続を打ち取った。テーマにしていた直球は最速142キロをマーク。また一つ課題をクリアしたルーキーは次回、3月2日のヤクルト戦(札幌ドーム)に中継ぎで登板する。

 派手さはないが、斎藤の直球には見た目以上の威力があった。

 「きょうは力を入れずに切れのある球を投げようとした。収穫は無失点に抑えたという自信。そこが一番かな」

 打者5人を相手に19球。変化球はカーブの1球だけ。残りはツーシームなどの直球系だ。最速は前回登板より3キロ増の142キロを2球マーク。プロであればどうということのない数字で、さらに相手は見え見えのリードで球種を絞ってきたが得点は許さなかった。

 6回からマウンドに上がると、ゆったりしたフォームから清田を高めの直球で一邪飛、2死一、二塁からは金沢を外角直球で三邪飛に仕留めた。「きょうはファウルフライでアウトを取れた。しかも右打者は一塁、左打者には三塁の方に飛んでいった」と斎藤は満足げにした。反対方向へのファウルは打者が差し込まれている証拠だ。スラッガーの大松には徹底した外角攻め。全て直球で、フルカウントから3球連続でバックネット方向へのファウルを奪った。斎藤がプロ入り以来口にしていた「直球にこだわりたい」。それは150キロの剛速球でなくても、コースを間違わなければ直球で勝負できることを確認したかったからだ。

 「“ここでスライダーやカットボールを投げられたら…”と思ったりもしたが、そんな中で直球を投げて抑えられた。2月中は直球とカーブだけと決めていた。これで今後の登板が楽になる」

 キャンプ中盤に下腹部の傷が化膿(かのう)するなど思い通りの調整はできなかったが、信念を貫いてテーマとしてきた投球の軸となる直球に手応えをつかんだ意味は大きい。「打者は直球を狙ってのファウル。やっぱり威力があるのかな」と吉井投手コーチ。次回登板は今季本拠地初戦となる3月2日のヤクルト戦(札幌ドーム)の予定だが、いよいよ変化球も本格的に解禁する。

 「無失点に抑えて自信はついたが打者がひと回り、ふた回りとなったらどうなるか。次からは徐々に持ち味を発揮していきたい」。黄金ルーキーは自分の足元を見つめながら、プロの投手としての階段を着実に上がっている。 

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