松井“史上初”の女性から刺激!早くも実戦突入

[ 2011年2月25日 06:00 ]

ジャスティン・シーガルさん(右)と握手する松井

 アスレチックスの松井秀喜外野手(36)が23日(日本時間24日)、女性として大リーグ史上初めて打撃投手を務めているジャスティン・シーガルさん(36)とキャンプ地で対面した。ゴジラファンという右腕との直接対決こそ実現しなかったが、そのひたむきな姿に大きな刺激を受けた。松井は24日(同25日)の紅白戦にDHで出場することも決定。メジャー1年目の03年ヤンキース時と並ぶ、早い時期から実戦をスタートさせる。

 ケース打撃に備えて準備をしていた松井の元へとやってきたのは、テレビで特集を組まれるなど、今や全米から大注目されているシーガルさんだった。松井は笑顔で手を差し伸べてがっちり握手。大リーグ史上初の女性打撃投手から「会えて凄く興奮した。彼は憧れの1人で伝説になった選手。(13歳の)娘は松井モデルのバットも持っているのよ」と、大の松井ファンであることまでカミングアウトされた。

 野球振興と女性の野球人口を増やす活動中のシーガルさんは、昨オフのウインターミーティングで打撃投手としての起用を各球団GMに直談判。インディアンスとア軍から許可が出た。21日にイ軍のキャンプで打撃投手を務めて、この日が2球団目。松井との対戦はなかったが、メジャー4選手相手に120球も投げ込んだ。その姿に松井も「凄いね。尊敬します。(登板を間近で)見られなかったのが残念だけど、頑張ってほしい」と、同世代の頑張る姿に大きな刺激をもらった。

 松井はキャンプ3日目のシートノックで左翼の守備に就き、カットプレーで矢のような返球を披露。フリー打撃では、重心の移動を入念に確かめながら鋭いライナーを連発した。練習前にゲレン監督から「ヒデキ、あすの紅白戦で何打席か立ってみるか」と、チーム初実戦となる紅白戦出場も打診されて快諾。チーム初の実戦に出場するのは07年以来4年ぶり。2・24という時期は大リーグ移籍1年目のヤンキースキャンプ以来の早さで、それだけ調整が順調であることの証明でもある。

 膝に不安を抱えた昨季は、紅白戦に出場せずオープン戦5試合目から登場。体調は雲泥の差だ。「試合勘などを打席で感じながらやりたい」。開幕を見据え、ゴジラの調子は確実に上がっている。

 ≪「ナックル・プリンセス」を絶賛≫シーガルさんは、現在米ウインターリーグに参加中の吉田にエールを送った。同じ女性投手として日米で旋風を巻き起こした「ナックル・プリンセス」を絶賛。「まだ19歳なのに重圧もはねのけて堂々とプレーしている。素晴らしい。彼女の活躍は、多くの女性を勇気づけている」と話した。また将来的に女性が大リーグでプレーすることにも言及し「ナックルを投げられる左投手が一番チャンスがある」と持論を展開していた。

 ◆ジャスティン・シーガル オハイオ州クリーブランド出身。5歳の時から高校生まで男子チームでプレー。高校時代は70マイル(約113キロ)以上を投げた。2006年から08年は、国際野球連盟(IBAF)のコーチとして世界少年野球大会に参加。女子ワールドカップでは同連盟のテクニカル・コミッショナーも務めた。09年に独立リーグ、ブロクトン・ロックスで一塁コーチに就任。現在は「ベースボール・フォア・オール」という団体で、世界中の男女に野球を指導する活動を続けている。

 ≪オーナー、初対面に上機嫌≫ア軍のルー・ウルフ・オーナーがキャンプ地を訪問。まだ一度も顔を合わせていなかった松井と念願の対面を果たして「彼と一緒にできるのは不可能と思っていた。こんなにうれしいことはないよ」と上機嫌で話した。松井にはリーダー役としてチームの改革を願うとともに、観客動員や広告収入といった経済効果を期待。大勢の日本報道陣が取材に詰めかけていることにもご満悦な様子だった。一方で今季の松井の成績予想は拒んで「期待する数字は1本塁打以上かな。あまり重圧もかけたくないからね」とした。そのうえでレッドソックスと対戦した08年以来の日本での開幕戦開催を強く希望し「もう一度大リーグ機構にお願いしたい」。松井も「また日本に行きたいって言ってましたね」と笑っていた。

 ≪28日からオープン戦≫アスレチックスのオープン戦は27日(日本時間28日)のカブス戦からスタートする。2戦目の28日(同3月1日)には昨季所属し、巨人時代の後輩・高橋が加入したエンゼルスと敵地で対戦。さらに斎藤のブルワーズ、建山のレンジャーズ、開幕カードの前哨戦となるイチローのマリナーズなど、注目の顔合わせが相次いでいる。

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