槙原氏 坂本の2番起用は「面白くないし、もったいない」

[ 2011年2月22日 07:46 ]

スポニチ評論家・槙原寛己 もの申す!

 面白くないし、もったいない。巨人がオープン戦で試している坂本の2番起用である。

 20日の楽天戦(沖縄セルラー)。初回先頭の松本が四球で出塁した。何か大胆な作戦を期待したけれど、確実に走者を二塁に進める送りバント。坂本は初球ファウルのあと2球目を決めた。

 1死二塁。得点圏に走者を進めてクリーンアップという形をつくるのはセオリーかもしれないけど、長打力のある坂本で相手にあっさりアウトを1つあげるというのはどうよ。

 先発投手は誰しも不安をいっぱい抱えて立ち上がる。先頭打者を歩かせでもしたら、よけいに頭がこんがらがる。ビッグイニングにしてしまったら…。もうドキドキだ。

 そんな状況で去年31本塁打の打者が簡単にアウトを1つくれたら投手は凄く楽。スーッと気持ちが落ち着く。楽天の先発・栂野はこの回、阿部の右越えタイムリーで1点を許したが、4回を投げて1安打1失点。うまくまとめられたのも坂本の送りバントが大きかったと思う。

 今年から導入される統一球。確かに飛ばない。いい角度で上がった打球がフェンス際で失速。この試合でも阿部のタイムリーに2打席目の左飛など「去年までだったら」という当たりが3つ4つはあった。

 打球の飛びがいい東京ドームではそう関係ないという声もあるけれど、去年12球団ダントツの226のチーム本塁打が減るのは間違いない。今年は12球団最少の76しかなかった犠打をいかに増やして確実に1点を取るかをテーマにしている。

 スタートしたばかりのオープン戦。坂本にもきっちり送らせてチーム方針、意識づけを徹底するという狙いがあるんだろうなあと思いながら、やはり納得いかない。ここは原監督に聞くしかないと思い、沖縄セルラーでの練習中に直撃した。

 ――どうして坂本2番なんですか?

 「刺激を与えようと思ってね。ゲーム全体を見る作業をさせている。ただ打つだけじゃなく、しっかりボールを見極めて四球を選ぶとか、2番に必要な状況に応じたバッティングを覚えさせたいんだ。彼は3番でも5番でも1番でも打てる。最終的には坂本1番、松本2番に落ち着くかもしれないよ」

 やっぱり聞いてみるもんだね。チームの中心選手としてさらなる進化を求めるための2番起用。安心したよ。

 将来的には3番もいいけれど、今の巨人打線の顔ぶれを投手目線で見て嫌なのは坂本1番。ホームランもあればツーベースもある。さらに粘って四球なんてバリエーションが増えたら投手は神経を使わされる。塁に出したら松本が何かを仕掛けてくる。想像するだけで嫌になるよ。

続きを表示

2011年2月22日のニュース