初代主将に鉄平!就任あいさつでは…ナイン爆笑

[ 2011年2月19日 06:00 ]

紅白戦の3回、二塁から三塁に向かう鉄平

紅白戦 白組3-1紅組

(2月18日 久米島)
 楽天の鉄平外野手(28)が18日、初代キャプテンに就任した。星野仙一監督(64)がチームの結束を強めるために主将制度を導入し、05年の球団創設以来初めてとなる主将に指名。2年ぶり2度目の首位打者を目指す一方、初のリーグ優勝を狙う新生・星野楽天の若きチームリーダーとして大車輪の動きをみせる。

 初回2死。鉄平が打席に入ると、両ベンチから「頑張れ、キャプテン!」の声が飛ぶ。その期待に応えるように川井から中前打を放った。3回には紅白戦5試合目で初盗塁と大ハッスル。途中からベンチに下がっても守備から戻ってくる選手に積極的に声を掛け、チームを引っ張り続けた。

 「僕の力なんか知れている。ちょっと迷った時とかアドバイスできればいいですね」。前夜、宿舎で星野監督の部屋に呼ばれた。「山崎、松井稼、岩村。実績のあるベテランはいるが、若いおまえにチームを引っ張ってもらいたいんや」。8年ぶりの指揮。元メジャーコンビを補強した中、星野監督は新しく生まれ変わった楽天をまとめるリーダーを求めた。数日前に首脳陣に打診し、その総意として鉄平に決定。「あいつしかおらん。練習に取り組む姿勢も素晴らしいし、人望もある。おとなしいけどこれも仕事。もっと前面に出てもらいたい」と語った。

 一昨年の首位打者、2年連続3割を打った鉄平の練習量は誰もが認める。今キャンプでも居残り特打を続け、宿舎に戻っても駐車場で素振りをしない日はない。休日も必ず室内練習場で打ち込む。昨年12月。野手のリーダー的存在だった渡辺直が横浜に移籍し、契約更改の席で号泣した。「チームの中で直さんのような存在になる」とリーダーとしての自覚が芽生えた。

 練習開始前の円陣。田淵ヘッド兼打撃コーチが「一致団結してやっていくために鉄平を初代主将にする」とナインに知らせ、主将は輪の中に入った。「えー、このたび…」。田淵ヘッドから「おい、政治家じゃないんだから」と突っ込みが入ると、爆笑の渦。「キャプテンとして精いっぱい頑張りますのでよろしくお願いします」。真面目な鉄平らしいあいさつだった。この日も居残りの特打に特守。グラウンドを一番最後に後にした。 

 ▼松井稼 軸ができることはチームとしていいこと。チームとして戦っていくわけだからもちろん協力していく。

 ▼岩村 彼は実績もあるし、チームの中で人望もある。僕が手伝えることは惜しみなくする。

 ▼仁村作戦コーチ(星野監督の中日監督時代の主将)中堅の鉄平にはベテラン、そして若手をまとめてほしい。主将をやることで人間的に大きくなってほしい。

 ◆鉄平(てっぺい=本名・土谷鉄平)1982年(昭57)12月27日、大分県生まれの28歳。津久見から00年ドラフト5位で中日に入団。05年オフに金銭トレードで楽天に移籍した。06年からレギュラーを獲得。09年には打率・327で首位打者を獲得した。通算成績は出場673試合、打率・294、38本塁打、273打点。1メートル78、78キロ。右投げ左打ち。血液型AB。

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