移籍マイナスじゃない…松井「スムーズにいける」

[ 2011年2月15日 06:00 ]

出発前に新シーズンへ向けての抱負を語る松井

 【松井秀喜に聞く】

 ――昨年に続き新チームでのシーズン。

 「チームを移るということがどういうことか、だいたい分かった。アスレチックスもエンゼルスに近いタイプのチーム。去年経験したことは、すべて参考になる。もちろん野球にそんなに大きな違いはない。ただそれ以外の違いはある。ファン、マスコミも含め、いろんな部分が違う」

 ――環境変化の難しさは。

 「移籍がマイナスとは思わなくなった。去年は長い間いたチームからだったから、気持ちの切り替えが難しかったかもしれない。ことしは凄くスムーズにいける」

 ――リーダーシップを期待されている。

 「試合だけじゃなく、試合以外でも若手の見本になる部分は見せなくてはいけない。そういうところでいい影響が与えられたらと思う」

 ――チーム最年長。

 「年は意識しないけどことし9年目。そういう部分で自覚しなくちゃいけない。チームも期待している。普段どんな準備をしているかとか、試合中打席ではどうしているのかとかは自分でも一対一で話せる。聞かれたら答えてあげたい」

 ――ア軍は昨季の観客動員数が30球団中、29位(エンゼルスは5位、ヤンキースは1位)。プレーにマイナスに働く?

 「可能性はある。満員でやることに慣れちゃっている。そういう意味では自然と出てくるアドレナリンみたいなものがあった。意識せずにね。そこは大きな課題。プレーボールで“お客さんほとんどいません”ということも十分あり得る。そういうときにいかに自然に出たアドレナリンと同じものを出すか」

 ――対策は。

 「チームが調子良く、いい成績を残せばお客さんが集まる状況をつくれなくはない。あとは地域の日系人、日本人が少しでもスタンドを埋めてくれるようなプレーができたらうれしい。せめて25位くらいまでは上げたいなと思っているんだけど。気持ちの持っていき方は、やってみないと分からない。確かにホームでガラガラというのは今までほとんど経験がない」

 ――09年にワールドチャンピオンとなり、シリーズMVP。最大の目標を達成して変化は。

 「ある意味あれ以上はない。タイトルを狙うだとか、シーズンMVPを目指すだとかあるけど、でもやっぱり一番はワールドチャンピオンになること。そこを達成してなおかつMVPを獲ってしまった。それ以上がないわけだから、何か違うものを探さなくてはいけないかもしれない」

 ――何を目指す。

 「もちろんチームがチャンピオンになるのが大前提。ただそれ以外に新たな気持ちをかき立てるものが必要かもしれない。タイトルとか、個人的なこれまでと違う目標はあってもいいかもしれない。勝たせるというのは自然と持てる気持ち。それとは違う気持ちのかき立て方があってもいい」

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2011年2月15日のニュース