元ハムドラ1左腕・正田 Rソックスとマイナー契約

[ 2011年2月12日 10:00 ]

レッドソックスとマイナー契約を結んだ正田は国内で自主トレに励む

 かつてのドラフト1位左腕が米球界に挑戦する。02年にパ・リーグ新人王に輝くなど日本ハムなどでプレーした正田樹投手(29)がレッドソックスとマイナー契約を結んだことが11日、分かった。08年オフに阪神を自由契約となったが、その後、台湾に渡り、09年には最多勝のタイトルを獲得。昨年11月に極秘でトライアウトを受け、レ軍幹部の目に留まった。日本ハム・斎藤佑樹投手(22=早大)と同じ群馬県太田市出身の甲子園V腕が、アメリカンドリームをつかみ取る。

 リストラ左腕に大きなチャンスが舞い込んできた。松坂、岡島らが所属する大リーグの名門レッドソックスとこの日までにマイナー契約を締結。国内でトレーニングに励んでいる正田は「台湾に行ってから真剣にメジャーでプレーすることを考えてきた。スタートラインに立てたのはうれしい」と声を弾ませた。

 昨年11月9日にアリゾナで、メジャー9球団のスカウトが見守る前でトライアウトを受けた。直球は88マイル(約142キロ)ながら、1メートル88の長身から落下してくる縦のカーブと切れのあるスライダーに、レ軍が高評価を与えた。同タイプの岡島が成功していることも獲得の理由となった。

 正田は来週中に渡米し、今月下旬にはマイナーの有望株が集まるフロリダ州フォートマイヤーズでのミニキャンプに参加する。マイナー契約とはいえ、レ軍は日本と台湾での実績を評価しており、メジャーのオープン戦に特別参加させることも検討している。

 チームには正田の前年の甲子園優勝投手で、高校時代から憧れていた松坂がいる。「松坂さんとは少し話したことがあるだけ。まさかこんなことになるとは…。あとは自分が結果を残すだけです」。栄光と挫折を味わい、台湾で再生した男が夢のマウンドを目指す。 

 ◆正田 樹(しょうだ・いつき)1981年(昭56)11月3日、群馬県生まれの29歳。99年、桐生一3年夏の甲子園で3完封などして優勝。同年ドラフト1位で日本ハム入団。02年に新人王を獲得したが、07年に阪神移籍。1軍登板のないまま08年オフに自由契約となり渡台。興農では2年間で通算25勝11敗、防御率3・61。チーム事情により、今季限りで退団した。1メートル88、82キロ。左投げ左打ち。

 ▽正田の99年夏の甲子園VTR 桐生一のエースとして計6試合に投げて失点5、防御率0・53。群馬県勢として春夏通じて初の優勝をもたらした。1回戦の比叡山(滋賀)、準々決勝の桐蔭学園(神奈川)、準決勝の樟南(鹿児島)はいずれも完封。決勝の岡山理大付戦は初回に1点を失い、史上8人目となる大会4完封の記録は逃したが、6安打1失点で完投勝利を飾った。

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