沢村 G主力の要望に応えて147キロ!

[ 2011年2月12日 06:00 ]

<巨人キャンプ>フリー打撃に登板した沢村

 巨人のドラフト1位・沢村拓一投手(22=中大)が11日、キャンプ2度目のフリー打撃に登板。小笠原、ラミレス、阿部、高橋、谷と豪華メンバーを相手に堂々の投球で52球中、安打性の当たりは7本。柵越えはゼロだった。最速147キロを計測した直球は初速と終速の差がわずか3キロだったことが判明。初の実戦登板が予定されている15日の紅白戦では、さらに完成形に近づきそうだ。

 タレント軍団のリクエストに満点回答の直球で応えた。2回目のフリー打撃で対戦したのは別メニューで調整が任されているS班の小笠原、ラミレス、阿部、高橋、谷。沢村の投球をスピードガンで計測した川口投手総合コーチは「球速は146、7キロ出ていた。一番速い球を見せてほしいと(S班が)言ってきたから、沢村ならやってくるだろうと思った。バランスは今日が一番良かった」と満足そうだった。

 抑えることが目的ではないフリー打撃登板。打者の状態がまだ上がっていないことを差し引いても、直球の質は明らかに並の新人ではなかった。52球中変化球はわずか2球。テンポ良く50球の直球で小笠原から空振りを奪い、引っ張られた打球もわずか3球だった。「悪い緊張感はなかった。素晴らしいメンバーに投げて勉強させてもらった。打者のヘッドスピードの速さが(アマチュアと)全然違う」と謙虚な言葉を並べたが、首脳陣の評価は上がる一方だ。

 最速147キロを計測した時の終速は144キロ。球持ちの良い好投手でも終速は初速から5、6キロ落ちる。打者の手元でホップする錯覚にとらわれる沢村の直球の凄みは、終速が3キロしか落ちない驚異の数字に隠されている。川口コーチも「手元で伸びている。スピードガン以上の速さを感じた。あれだけの打者相手に動じないしね」と強心臓ぶりも評価した。

 賛辞の言葉が並べられたが、沢村に浮ついた様子はない。「ストライクをポンポン取る課題で、阿部さんの初球にボールでダメだなと思った。球の回転は良かったけどまだまだこれからですね」。先発予定の15日の紅白戦。今度は打たせない。底知れない可能性を秘めた直球で抑え込む。

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2011年2月12日のニュース