ダル、斎藤に金言!生き抜くために“2種類持て”

[ 2011年2月5日 06:00 ]

キャンプ初の休日、斎藤(左)は宿舎近くの海岸で三線を手に笑顔。その斎藤にプロとしてのアドバイスを贈ったダルビッシュ

 日本ハムのダルビッシュ有投手(24)が4日、ドラフト1位右腕の斎藤佑樹投手(22=早大)に金言を授けた。ダルビッシュはプロで成功する秘訣として、配球の重要性に加え、同じ球種の変化球でも縦、横の変化、球速の違いなどで2種類以上に増やせば、十分にプロの打者と対峙(たいじ)できるバリエーションになると力説。自身が実践してきた方法を次代のエースに託した。

 黒のタンクトップから隆起した上腕二頭筋が際立つ。名護市営球場内にあるウエートルームで休日返上で約1時間の筋力トレーニングを行ったダルビッシュは、斎藤にプロで生き抜くためのヒントを贈った。

 「プロと大学生はレベルが違う。自分でも最高のボールを打たれることがある。だからこそ甘い球をどれだけ打たれないか。甘い球をいかに打ち損じさせるか」。プロに入って昨季までの6年間、結果を残すために感じたことだった。

 そのための答えも用意されていた。「配球や球の質が大事。球種がいっぱいあるよりスライダーならスライダー、カーブならカーブでそれぞれ2種類くらいある方がいい。縦、横の変化とかね」。150キロを超える剛速球ばかりに目がいくが、日本最強右腕と呼ばれるのには、それ以外の理由もある。

 例えばカーブ。打者のタイミングを外してカウントを稼ぐためと、左打者から三振を奪うために鋭く落とす球など3種類を巧みに使い分ける。チェンジアップも140キロ台の高速タイプと130キロ前後のノーマルタイプを使い分ける。直球と変化球で緩急を生み出すだけでなく、同じ球種の中でも緩急を駆使する。

 この方法論で、ダルビッシュは持ち球としては9球種ながら計14種類の球を投げ分ける。斎藤は持ち球として直球、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ、カットボール、ツーシームと7球種だが、同じ変化球で投げ分けが可能となれば、現在の倍のバリエーションに増やすことも可能だ。

 これまでも、目をかけた後輩には球団の垣根を越えてアドバイスを送ってきた。例えば、広島・前田健。昨年5月15日の広島戦(マツダ)では前田健が打席に立つとほぼ全球種を投げ込んだ。球宴期間には会食もし、変化球談議。これをきっかけに前田健は曲がりの大きさの違う2種類のスライダーを投じ、タイトルを総なめにした。

 「あす(5日)はブルペン投球するので、休みでも体調を維持しないと…。この時期はケガもしやすいし、投げるために常に準備をしておきたい」。一流の言動で手本を示したダルビッシュ。あとはその金言に斎藤が応える番だ。

 ≪“マイ筋トレ器具”持参≫ダルビッシュが自身の公式ブログで「マイ・ウエートトレーニング器具」を持参したことを明かした。4種類の懸垂、腹筋、(大胸筋などを鍛える)ディップスができる特注品で「本当に使い勝手がいい優れものです」と写真付きで紹介。キャンプに大型器具を持ち込むこと自体が異例だが、キャンプ後は札幌ドームのウエートルームに持って行くプランも披露していた。

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2011年2月5日のニュース