迷子の星野監督を小学生が救出「命の恩人だ!」

[ 2011年2月2日 06:00 ]

子どもたちの案内でさとうきび畑の横を通って宿舎までの道を歩く星野監督

 楽天・星野監督が3人の野球少年のおかげで遭難の危機を免れた。沖縄・久米島キャンプ初日。闘将は背番号77のユニホームを初披露し「監督生活で、ケガ人や病人なしでキャンプを迎えたのは初めて。投手は、あす試合ができるような仕上がりだった」と上機嫌で球場を離れた。宿舎までの帰り道に思わぬトラブルが待っていることも知らずに…。

 「道に迷った。この子たちがいなかったら帰れなかった。きょうのMVPはこの子たちだ。命の恩人だ!」。久米島球場から選手宿舎までの道のりは8・6キロ。星野監督は健康のため、ラスト3キロの距離を歩いて帰るつもりだった。運転手にもそう伝えたつもりだった。しかし、運転手は球場から3キロ地点で降ろすものと解釈し、車のドアを開けた。初めての場所で土地勘のない指揮官はそうとも知らず、そこから1キロあまり歩くとガソリンスタンドを発見。そこを右折すれば、約800メートルでチーム宿舎に到着するはずだった。楽勝、楽勝…。

 しかし、右折した瞬間、目の前には見慣れない風景が広がった。疑問を感じながらも、さらに500メートル先の製糖工場まで歩く。歩き疲れて手すりに両手をかけて屈伸していると、3人の少年から声を掛けられた。闘将はすかさず「ホテルに帰りたいんだけど道に迷った。案内してくれ」とSOSを発信。島に2つしかないガソリンスタンドを誤認、そのまま進んでいたら浜辺に迷い込むところだったのだ。

 星野監督は石嶺綾一君、安里太一君、喜友村佑貴君の3人の小学6年生と談笑しながら4・5キロを歩いた。そこで携帯電話で運転手に連絡し、迎えに来た車に乗って宿舎へ帰ったが、車中では「プロ野球選手になりたいなら、一生懸命努力しなさい」と助言。宿舎ではメロンパンとジュースでもてなした。

 あわや迷子かというキャンプイン。「足が痛くて歩けない。あすは練習休み!」と闘将。何をしても選手より絵になってしまうのが星野監督たるゆえんだ。

 ▼製糖工場関係者 星野監督が笑顔で子供たちと仲良く歩いていて不思議な光景でした。

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