斎藤 集結1万1000人ファンに「申し訳ありません」

[ 2011年1月17日 06:00 ]

<日本ハムファン交流イベント>イベント後にファンに手を振る斎藤佑樹、手には読み上げた新入団の誓いが・・・

 日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22=早大)が16日、合同自主トレを行う千葉県鎌ケ谷市で「新入団歓迎式典・セレモニー」に出席。97年のファイターズタウン完成以来、最多の延べ1万1000人が集まる大フィーバーとなった。式典では清水聖士・鎌ケ谷市長(50)に転入届を提出したが、すぐに2軍の鎌ケ谷でなく北海道の1軍でプレーすると決意表明。朝から小雪がちらつく寒さとなったが、自主トレが始まって最初の日曜日は熱気に包まれていた。

 午後3時からの新入団選手歓迎式典。注目のルーキーを追いかけようと、上空にはテレビ各局が派遣した5機のヘリコプターが旋回し、自主トレ時と合わせ、ファイターズタウン最多となる約1万1000人のファンで球場周辺があふれ返った。主役の斎藤自身も目を丸くして驚いた。

 「こんなに来るとは思っていなかった。ファンと触れ合うには少し距離があったけど、プロとしては今後もこういう活動が大事になる。そういう意味では第一歩としていい機会になったと思う」

 来たのはファンだけでない。鎌ケ谷警察署は「もちろん初めて」(同署)という全署員110人で異例の警備態勢を敷き、球場にも半数以上の60人を詰め所で待機させた。さらに千葉県警は周辺の渋滞を把握するためにこちらもヘリコプターを巡回。式典には清水市長のほか、市議27人中、16人が出席するなど、注目右腕の存在は行政も動かした。

 異様な雰囲気の中でも、たったひと言で全ての空気を一変できる。それが斎藤の凄さでもある。「きょうを持ちまして鎌ケ谷市民になったわけですが、僕自身は1軍に行きたい気持ちがありますので、申し訳ありませんが早く北海道に行きたい。決して鎌ケ谷の皆さんが嫌いなわけではありませんが、そういう気持ちもありますので応援よろしくお願いします」

 いきなりの鎌ケ谷脱出宣言も、斎藤なら許せてしまう。ユーモアあふれるリップサービスに内野スタンド、外野芝生席、そして球場の外周道路で見守るファンは拍手喝采。住民票の転入届を受け取った清水市長だけは「ちょっと寂しかった」と苦笑いだが、10万8000人の市民を挙げて応援する姿勢は変わらない。

 もちろん、札幌を舞台に戦う準備は整えている。この日は新品のスパイクを初めて履いてキャッチボールをすると、約70メートルの遠投も行った。「このクールには入りたい」と、あす18日にもブルペン入りすることが濃厚となった。過熱するフィーバーには「正直本意じゃない」と本音を漏らしながらも「結果が出ないと苦しむのも自分。自分のまいた種なので、しっかりやっていかないと」と覚悟はできている。

 午前7時45分頃から粉雪が舞い、約1時間でグラウンドが真っ白に覆われたが、まるで斎藤フィーバーの熱気が全てを解かしたように全ては順調に進んだ。やはりこの男、何かを持っている。

 ≪ジャンケンで2番目に勝って「T」に≫ファンとの交流会では2軍マスコットキャラクター「カビー」と新人6選手で「VICTORY」の人文字を披露。斎藤は中央で両手を広げる「T」の役を務めたが「みんなでジャンケンして2番目に自分が勝ったので楽なのを選びました」。また、最後にはファイターズ戦士としての誓いを全員で読み上げた。

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