阿部も舌を巻く代物 長野 秘密兵器で史上初目指す

[ 2011年1月17日 06:00 ]

1・5キロのバットで素振りをする巨人の長野

 超重量バットで30発だ!巨人の長野久義外野手(26)は16日、今年初のフリー打撃を敢行し、広角に鋭い打球を連発した。 グアム自主トレには1・5キロのバットを持参し、ロングティーなどで使用。パワーアップをテーマに掲げており、外野から見守った阿部慎之助捕手(31)も30本塁打に太鼓判。昨季は「30発カルテット」が誕生したが、これに長野も加われば史上初の「30発クインテット(5人組)」も見えてくる。

 

 2年目の飛躍を目指す長野は、グアムまで秘密兵器を持ち込んでいた。ズシリと重そうなバットを軽々と持ち上げ「秘密です!」といたずらな笑みを返した。通常、試合では910~920グラムのバットを使用するが、関係者によると、超重量バットの重さは通常の倍近い1・5キロという。

 「強い打球を打てるようにしたい。阿部さんのように軽く振って飛ぶ方がいい」

 ここまでの自主トレでは、素振りやロングティーで握っている。重量感たっぷりのため振るだけで筋力強化につながる。さらに、腕の力や上体だけではなく体全体の力を上手に伝えないと、理想とする軌道は描けない。同時に上下のバランスを確認することも可能だ。

 昨季、史上3人目の捕手で40本塁打をマークした阿部すらも「あんなの使いこなせない」と舌を巻く代物。長野は歯を食いしばって振り回す。今季に向けた目標の一つが「体を大きくしたい」。新兵器ならば、素振りと筋力強化が一度に可能。一石二鳥の優れものだ。

 早速、その効果が表れた。この日は今自主トレ初のフリー打撃を行った。超重量バットで素振り後、通常の重さを手に打席に入ると快音を連発。軽く感じるバットで、持ち前の右方向へ伸びのある鋭い打球を何度も運んでみせた。好感触に昨季の新人王は「球界には、2年目のジンクスというものがあるので、負けないようにしたい」と気合いを入れた。

 昨季の巨人は坂本が31本塁打を放ち、ラミレス(49本)、阿部(44本)、小笠原(34本)と合わせ4選手が30発以上をマークした。チームでは04、07年に次ぐ3度目。19本塁打の長野が30本塁打をクリアすれば、球界史上初の30発5人も決して不可能ではない。「(史上初を)やってほしいね」と話す阿部も「(長野は)30発を打てる力は普通にあるよ」と太鼓判を押す。「思っていた以上に体が動けている」と長野。新たな相棒を手に、アーチを量産する。

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2011年1月17日のニュース