「新人は佑ちゃんだけじゃない」フィーバーに複雑なファンも

[ 2011年1月15日 16:38 ]

今月13日、大勢のファンが詰め掛ける中、球場に入る日本ハムの斎藤佑樹投手(手前)

 日本ハムの2軍本拠地がある千葉県鎌ケ谷市。斎藤佑樹投手(22)の新人合同自主トレーニングにファンが押し寄せ、ナシ畑が広がるのどかな町が一躍全国区に。16日には新入団選手の歓迎式と交流会もあり、熱狂のピークを迎えそうだ。

 「佑ちゃん、かわいい!」「かっこいい」。寒風の中、ジョギングする姿に声援が飛ぶ。自主トレ会場は「ファイターズタウン鎌ケ谷」。球場と室内練習場があり、選手寮も併設されている。キャンプイン前なのに、12日の初日から3日間でファンら計約6200人が足を運んだ。200台収容の駐車場も満車に。

 ファンの中心は中高年女性。茨城県常総市から車で2時間半かけて訪れた主婦(55)は「生で見られてうれしい。素直そうなところがすてき」とうっとり。他球団は多くても百数十人程度。

 抜群の人気に市民も盛り上がる。入団に合わせ、商工会がのぼり460本を製作。駅前の商店街や幹線道路沿いに「ガンバレ! フレッシュファイターズ」の文字が躍る。「佑樹」にひっかけた「北海道有機野菜弁当」を売り出す居酒屋も。歓迎式と交流会がある16日は、東武野田線鎌ケ谷駅から臨時の無料シャトルバスも運行される。

 1997年にファイターズタウンを誘致したものの、目立った観光地もなかった。鎌ケ谷市商工会連合会の飛山和夫会長(67)は「この盛り上がりをなんとか持続させたい」と話すが、自主トレは30日まで。斎藤投手は31日には、キャンプを張る沖縄県名護市に移動してしまう。

 長年のファンには複雑な思いも。例年なら自主トレの見学者は少なく、グラウンドから寮に戻る選手に気軽に話しかけることもできたが、今年は「安全確保」のために警備員を増やしたほか、規制の柵まで設けられ近づくことは難しい。

 「ルーキーは佑ちゃんだけじゃない。若い子を直接励ますのが楽しみなんだけど…」。長年、チームを応援している川崎市の毛利光孝さん(43)は寂しげだ。

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2011年1月15日のニュース