2500人殺到!斎藤、プロ第1歩はファンサービス

[ 2011年1月13日 06:00 ]

新人合同自主トレの初日、キャッチボールする斎藤

 日本ハムのドラフト1位右腕、斎藤佑樹投手(22=早大)が12日、記念すべきプロの第1歩を記した。千葉県鎌ケ谷市の鎌ケ谷スタジアムで新人合同自主トレーニングが始まり、初日から約2500人のファンが大挙した。その中、斎藤は声援に笑顔で手を振るなどファンサービスを実践。約4時間の練習メニューも余裕でこなし、練習後には自らランニングを追加。また、同日のスタッフ会議で、新人唯一の春季キャンプ1軍スタートが正式決定した。

 約4時間に及んだ合同自主トレ初日のメニューを軽くこなし、昼食も済ませた午後2時すぎだった。斎藤が無人となっていたグラウンドに登場。両翼間をランニングでゆっくり周回する。外野席に陣取るファンが身を乗り出す姿を認めると、体を180度反転させ、逆走しながらスタンドの声援に応えた。

 「(今までは)やっぱり早稲田の伝統があった。早稲田としての態度もあった。これからはプロとしてしっかりファンサービスしていきます」

 ファンサービス・ファースト――。プロ入りして斎藤が最も意識する言葉で、日本ハムの球団理念でもある。練習が始まった午前10時。平日の午前中ながら約2500人ものファンが、黄金ルーキーを一目見ようと球場に集まった。自主トレでは異例の警備員16人が場内整備に当たり、鎌ケ谷警察署の要請を受けた球団職員が再三にわたって「駐車禁止」のアナウンスを流す。テレビカメラ40台、報道陣230人が一挙手一投足を追った。NHKは空撮のためヘリコプターを手配、グラウンド上空を爆音を響かせながら旋回した。まさに厳戒態勢。その中でも斎藤はランニング中、女性ファンの声援に軽く手を上げた。アマ時代は見られなかった光景だった。

 オレンジ色のマフラーとシューズ姿で視線をくぎ付けにした斎藤は「5~6割の力ですかね」と計59球のキャッチボール、午後の筋力トレーニングと無事終了。「きょうは楽でしたよ。初日ということで気持ち良かった。疲れ?体の疲れというより、最初なので気疲れですね」。冗談も交えながら涼しい顔でプロ初日を振り返った。

 もちろん人気だけではない。この日のスタッフ会議で他の新人選手に先駆け斎藤のキャンプ1軍スタートが正式決定。「上半身だけ見ていると小さく見えるけど、下半身は大きい。走り方を見ても力強さを感じる」と梨田監督。ただ、あくまで開幕1軍を目標に掲げる斎藤だけに「凄くうれしいですけどまだ1日。もっとアピールできるように、しっかり残りの自主トレをやっていきたい」とあくまで謙虚だった。

 前夜には広島に入団した福井(早大)と「これから頑張っていこう」とメールでやりとりしたという。「体を動かした分、やるぞという気持ちになれました。あすはきょうよりいい1日にしたい」。斎藤の前途はまばゆいばかりの輝きを放っている。

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