柴原 2度目交渉も58%減に年俸調停を申請へ

[ 2011年1月8日 06:00 ]

2度目の契約交渉も決裂し渋い表情を浮かべるソフトバンク・柴原

 ソフトバンクの柴原洋外野手(36)が7日、福岡市の球団事務所で2度目の契約更改交渉に臨んだが合意に至らず、年俸調停を申請することを決めた。

 週明けの11日にも加藤良三コミッショナーへ申請書を提出する予定。受理されれば01年の下柳(日本ハム)以来7人目の調停となる。

 柴原はこの日の交渉に急きょ代理人を立てて臨んだが、提示額は昨年12月10日の前回交渉での4200万円(65%減)から800万円上積みされた5000万円。それでも昨季年俸1億2000万円からは58%減と、野球協約の減額制限(1億円以上は40%)を上回っており「これぐらいの大幅ダウンを許す前提をつくれば、こうなる選手が増える。(球団とも)お互いすっきりする形がいい」と調停を決断した。

 昨季は出場69試合に終わり、打率・216、4本塁打、20打点。前回交渉では球団側が交渉中に選手名鑑を見るなど不誠実な点があったとされるが、この日は笠井オーナー代行による「大幅な減額で申し訳ありません」との謝罪のメッセージも伝えられた。「期待されていると思った」と話した柴原は今季もソフトバンクでプレーする意向でいるものの、金銭面では譲れない考え。希望額は40%減の7200万円で「もめるよりも調停をすることで練習に集中できる。好きこのんで調停をやる選手はいない。あとは(代理人に)お任せする」と話した。

 ▼ソフトバンク小林至編成・育成部長(今回の交渉で)詰められるのがベストと思ったが、仕方がない。議論は尽くしてきたので(調停の)結果は受け止める。

 ▼柴原の代理人・望月浩一郎弁護士 わたくしどもは野球協約にのっとったぎりぎりのところまで譲歩した。シーズンが終わって査定方法を変えるのはルール違反。出来高はまとまっているが、本年俸はこれ以上話し合いをしても難しい。

 ▽年俸調停 野球協約第94~96条に明記。正式には参稼報酬調停という。次年度の契約が合意に達しない場合、選手もしくは球団はコミッショナーに調停を求める申請書を提出できる。受理されれば、熊谷勝彦コミッショナー顧問を委員長とし堀内恒夫前巨人監督、石塚久弁護士の3人で構成される調停委員会が、選手と球団から希望額とその根拠を聴取。申請を受理した日から30日以内に調停を終了する。過去6人が調停で決着しているが、08年のG・G・佐藤(西武)は申請を受理されなかった。

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2011年1月8日のニュース