オリックス

[ 2010年12月17日 06:00 ]

来季からは球団スタッフとしてチームを支える仁藤

 突然の戦力外通告だった。当時のことを仁藤は「ホッとした」と振り返った。06年のドラフトで入団。1軍マウンドを夢にプロの世界に飛び込んだ。しかし現実は悪夢との戦いの連続だった。

 入団1年目の3月22日にはじん帯再建手術で右肘にメスを入れた。そして3年目の昨年はストレスによる過敏性腸症候群を発症。「とにかく苦しかった。大好きな野球が大嫌いになった」。無念の長期離脱を余儀なくされた。ただ絶望のどん底でも希望の光は見つけた。
 「清原さんが復帰するときに一番最初に僕がフリー打撃で投げたんです。僕も一番最初に投げたのが清原さん。同じリハビリ組同士でしたし…。それが一番の思い出」
 年齢や実績に違いがある中でも同じ境遇の2人が必死に汗を流した。若き右腕にとって、その汗は大きな財産となった。「多くの方に支えられ、応援していただいた。本当にいいチームです。悔いはない。これからも日本一のチームを目指して陰で支えたい」。来季からは球団スタッフとしてチームを支える。4年間の現役生活を終え充実感の笑顔を見せた青年が第二の人生の第1球を投じる。

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2010年12月17日のニュース