2位じゃダメ!王会長が巨人にV奪回厳命

[ 2010年12月6日 06:00 ]

王OB会会長が巨人・原監督(手前)と言葉を交わす

 「読売巨人軍OB会総会」が5日、東京都内のホテルで開かれ、王貞治会長(70=ソフトバンク球団会長)、原辰徳監督(52)ら103人が出席。王会長が今季は3位に終わったチームに対して、来季の覇権奪回を厳命した。

 「2位も3位も4位も一緒。勝負の世界では1位以外に意味はない。特に巨人はね。巨人は自分たちがそういう(常勝)イメージをファンに対してつくり上げたわけだから」。穏やかな表情でも、その瞬間だけは眼光は一気に鋭くなった。さらに長嶋終身名誉監督が引退する際に「巨人軍は永久に不滅です」と名言を残したことを引用して、「われわれの命は限りがあるが、長嶋さんが言ったように巨人に限りはない。連覇が途切れたなら、新たなスタートを切ってほしい」とV奪回を命じた。
 現在はソフトバンクの会長として活躍するが、現役時代に868本塁打の世界記録を打ち立て、引退後は監督も務めた巨人への愛情は誰より強い。巨人がリーグ制覇し、CSも勝ち抜けば、自身が指揮を執った00年以来のソフトバンク(当時ダイエー)と巨人の日本シリーズも見えてくる。願いは1つ。「巨人は勝つことしかない。ユニホームを着ている人は理屈抜きでやってくれればいい」とエールを送った。
 今季は夏場に内海、東野ら先発陣が不振に陥り、7、8月と2カ月連続負け越し。9月も貯金1に終わった。それだけに王会長は「詰めが大事」と総括。熱く、そして厳しく激励された原監督は「先輩たちがいて、今は自分たちが(チームを)育み、前に進めている。OBからの優勝への期待?いつも感じています」と巨人軍の歴史と伝統の重みをあらためて認識していた。

 ≪球団が王会長に「純金の兜」贈呈≫OB会総会では今年10月に文化功労者を受章した王会長に対し、球団から純金の「兜(かぶと)」が贈られた。05年に同じく文化功労者を受章した長嶋終身名誉監督に贈られたもので、滝鼻オーナーから手渡された王会長は「巨人で30年間、野球をやってきたことが評価されたと思っています」とあいさつ。また、ドラフト1位の即戦力右腕、中大・沢村については「フレッシュな魅力を振りまいてほしい」と期待した。

続きを表示

2010年12月6日のニュース