「直電」で口説かれた!尚成 エンゼルスと2年契約

[ 2010年12月4日 06:00 ]

エンゼルスのユニホームに袖を通し笑顔の高橋

 メッツからフリーエージェント(FA)となっていた高橋尚成投手(35)が2日(日本時間3日)、エンゼルスと2年契約を結んだ。総額600万ドル(約5億400万円)程度とみられる。11月30日にソーシア監督から直接電話で口説かれ、翌1日に渡米。複数年契約に加えて家族の住環境も申し分なく、希望していた条件が重なり入団を決断した。まずは中継ぎを任されるが、先発、抑えもこなす投手陣の「屋台骨」としての活躍を期待されている。

 米国滞在わずか30時間。超強行日程にも、高橋の笑顔には充実感があふれていた。
 「本当にうれしい。GMや監督らと話して温かいチームだと感じたし、そこでやるのがどれだけ幸せかと考えて、このチームを選びました」

 11月30日朝だった。ソーシア監督からのラブコールが高橋の携帯電話に届いた。指揮官からの「直電」で口説かれて翌1日夜には日本を出発。メディカルチェックを経て2日夕方にサインした。

 「まさか日本時代から知っている名監督と話すことになるとは…」。大感激の高橋に対し、昨オフもヤンキースからFAとなった松井を口説き落としたソーシア監督は「彼のように多くの役割をこなす選手は本当に重要。どんな場面でも投げられ、先発もこなせる」と力説した。エ軍は今季、途中移籍した抑えのフエンテスを除き、左の中継ぎ投手が不在。それが響いて4年ぶりに地区優勝を逃しただけに、高橋への期待は大きい。

 エ軍は最大限の評価として複数年契約を提示。来季は家族と一緒に生活することを希望していた高橋も「この地域、気候は日本人にはとても住みやすいと皆さんに言われた」。レッズ、フィリーズ、ホワイトソックスと興味を示していた4球団から、最適な環境も考慮してエ軍を選択した。

 昨オフはマイナー契約の招待選手で米国に渡りながら、10勝6敗8セーブ、防御率3・61と先発、中継ぎ、抑えにフル回転した。「どんな場面でもできるということを証明した。必要とされるところで頑張り、ワールドチャンピオンになるためいい仕事をしたい」。来季もまずは中継ぎ起用の見込みだが、先発や抑えに故障者が出たケースなどに配置転換も十分ありえる。サインしたその夜、帰国便に飛び乗った高橋。野球人生初の赤いユニホームに袖を通し、真価を問われる2年目に挑む。

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2010年12月4日のニュース