やっぱり「もってる」斎藤、流行語トップ10

[ 2010年12月1日 06:00 ]

リーグ戦で優勝し、スピーチで用いた「もってる」が新語・流行語大賞トップ10入りを果たした早大・斎藤

 早くもタイトル奪取だ。日本ハムからドラフト1位で指名された早大の斎藤佑樹投手(22)が、1日に発表される「2010ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10を受賞することが、分かった。今秋の東京六大学リーグ優勝直後のヒーローインタビューで用いた「もってる」が、ノミネート60語の中から流行語として選ばれた。斎藤は06年にも「ハンカチ王子」でトップ10入りしており、2度目の受賞。マルチ受賞は野球界では史上初の偉業となる。

 やはり、斎藤はもっていた。年末恒例の「2010ユーキャン新語・流行語大賞」。これまで各界の著名人らが一世を風靡(ふうび)する名フレーズでこの賞を受賞してきたが、今年は斎藤らが発した「もってる」が流行語として認定された。06年には「ハンカチ王子」でトップ10入りしており、野球界では史上初の2度目の受賞となる。
 斎藤が主将として率いた早大は11月3日、東京六大学野球秋季リーグで早慶両校による50年ぶりの優勝決定戦の末に優勝。その直後のインタビューで「最後に1つだけ言わせてください」と切り出し、「自分は何かもってると言われ続けてきましたけど、何をもっているのか確信しました。それは仲間です」というスピーチで神宮球場に詰めかけた3万6000人の大観衆をわかせた。そのシーンはテレビなどでも繰り返し放送され、その後に日本シリーズを制したロッテの西岡もビールかけの際に「西岡は何かもってます」と使ったことから「もってる」は一躍、流行語となった。
 もともと「もってる」の言葉自体は元日本ハムの新庄剛志氏らが得意フレーズとし、今年もサッカーW杯南アフリカ大会で、日本代表FWの本田圭佑(CSKAモスクワ)が用いた。1次リーグ予選初戦のカメルーン戦で先制ゴールを決めた本田は「本番の大事なところで決めることができた。きのうが誕生日?まあ、もってるな、ということで」と試合後に話し日本中のファンを喜ばせた。そのシーンが頭にあったかどうかは不明だが、大学生活最後の今秋リーグ戦で優勝した斎藤が再び用いたことで、「もってる」は有言実行の付加価値も付き再び脚光を浴びることになった。
 過去には巨人の長嶋茂雄終身名誉監督が「メークドラマ」で、故仰木彬オリックス元監督が「がんばろうKOBE」で大賞を受賞するなど球界の大物が表彰されたことはある。今回、大賞は他の候補語が受賞する見込みだが、それでもアマチュアのスポーツ選手が2度も受賞するのは他の分野を見回しても極めて異例。プロ入りを前に、斎藤にまた1つ新たな勲章が加わった。

 ≪過去に松坂、上原らが受賞≫同賞は84年に制定されたが、プロ野球界では過去に9人が大賞(90年までの呼称は金賞)を受賞している。86年には「新人類」が金賞を受賞したが、受賞者には当時、若手ながら球界に旋風を巻き起こしていた西武の工藤、渡辺、清原の3人が名を連ねた。また99年に新人王を獲得した西武・松坂は「リベンジ」で巨人・上原は「雑草魂」で大賞を受賞した。

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2010年12月1日のニュース