長嶋さん視察に意欲「生で見たいねえ。佑ちゃんね」

巨人・長嶋茂雄終身名誉監督（左）から特別賞を手渡され、握手を交わす日本ハム・ダルビッシュ

　佑ちゃんを生で見たい！巨人・長嶋茂雄終身名誉監督（７４）が２５日、都内ホテルで「第１２回ゴールデンスピリット賞」の表彰式に出席。受賞した日本ハム・ダルビッシュ有投手（２４）の来季の日本球界残留を喜び、同時に来春の沖縄キャンプで日本のエースと競演することになったドラフト１位ルーキー・斎藤佑樹投手（２２＝早大）の視察に意欲をのぞかせた。

　ミスターの目が輝いたのは「斎藤佑樹」の名前を聞いたときだ。来春キャンプで球界の話題をさらうことは間違いないゴールデンルーキー。その投球ぶりを少しでも早く見たいのだろう。
　「そう。生で見たいねえ。佑ちゃんね」
　斎藤ではなくて、佑ちゃん。そこにミスターの注目度が表れている。夏の甲子園を制した早実時代から注目。かつて自身が沸かせた神宮の杜での活躍を常に気にかけてきた。そして今年８月５日の世界大学野球選手権準決勝、横浜スタジアムまで足を運んで先発した斎藤の投球を生でチェックしている。それほどの投手だからプロのスタートを生で見たいと思うのも当然だ。
　日本ハムのキャンプ地は沖縄・名護。ミスターは０４年３月に脳梗塞（こうそく）で倒れて以降、懸命のリハビリで驚異的な回復を見せ、０７年に３年ぶりに宮崎を訪れてからキャンプ視察は恒例となっている。訪れるのは例年、自身の誕生日の２月２０日前後。来年の巨人はちょうど２月２０日から沖縄で２次キャンプを行う予定で、体調次第ながら来年は１泊２日の旅程を組む可能性もあるという。練習試合、オープン戦の詳細日程は未定だが、日本ハムとの対戦が組まれ、斎藤登板の可能性が出てくればこれ以上の機会はない。
　「（巨人の）宮崎は１９日までか。沖縄はその後か。沖縄はどうかな、まだ分かりません」。そう話したが、沖縄を訪れるとなればアテネ五輪の日本代表監督として各球団のキャンプ地を行脚した０４年２月以来だ。ミスターは、今オフのメジャー移籍を断念したダルビッシュについて「来年は日本だね。その後はアメリカ。楽しみだね」とも続けた。佑ちゃんとダルビッシュ、そこに沢村（中大）が入団した巨人が加わる。球春の沖縄。今からその日が楽しみで仕方がない様子だった。

　◇長嶋さん過去の訪問◇
　☆０７年２月１６日　脳梗塞から復帰し、１１０２日ぶりに巨人の宮崎キャンプを視察。「今年は勝つ。絶対に勝つ。３回言う。勝つ、勝つ、勝つ！」とチームを鼓舞した。
　☆０８年２月２４日　原監督からプロ２年目の坂本を紹介され「１９歳か。君の将来を期待しているよ」と激励。坂本はミスターの期待に応え、この年レギュラーを奪取。
　☆０９年２月２１日　ＷＢＣ日本代表候補の合宿を訪問。日の丸を着けて戦う選手に「みんな、頑張れ。世界で暴れてくれ」とエール。
　☆１０年２月２１日　打撃練習中のケージ裏で、新人の長野と対面。左腕や胸の辺りを触り「体が強そうだな」と声を掛けた。また０８年２月２４日以来約２年ぶりに、ソフトバンク・王球団会長と球場での２ショットを披露。