「育成でもいい」ノリ 禁酒&禁肉でアピール

[ 2010年11月22日 06:00 ]

練習後、子どもたちにサインをする中村紀

 楽天を今季限りで戦力外となった中村紀洋内野手(37)が21日、現役続行への意欲を強くアピールした。現時点で他球団からのオファーはなし。兵庫県西宮市内で行った自主トレ後に「条件も何もない。育成でもいい。中日時代もそうだった。ここで終わるわけにはいかない」と悲壮な思いを口にした。

 近鉄からドジャースへ移籍した05年から、流浪の野球人生が始まった。07年2月には中日と年俸400万円、背番号205で育成契約。そこから同年日本シリーズMVPまで上りつめた。「(今年の)日本シリーズの熱い戦いを見ていて、自分がここでやっていると置き換えてみた。野球がやりたい」。どん底からはい上がって涙した当時の思いがよみがえった。
 現在は「禁酒&禁肉」に取り組んでいる。「仙台から戻ってすぐに晩酌をやめた。(焼き肉店でも)肉は2、3枚で塩タンかミノを食べる」。08年オフにFA移籍した楽天での2年間は、期待通りの結果を残せず。しかし腰痛で77試合の出場に終わった昨季に対し、今季は129試合で打率・266、13本塁打、64打点。「最後に(右太腿の)肉離れが出たが、今年は打撃ができたし守備で走ることもできた。今の状態は100%に近い」。節制の効果が、来季につながると信じている。
 24日の第2回合同トライアウトには参加しない予定。「キャンプを1人で迎えるかもしれないが、期限を決めずに吉報を待ちたい」と07年同様の長期戦も覚悟している。2000安打にあと177本、王貞治(巨人)の通算満塁本塁打記録(15本)にもあと1本と迫る無骨なアーチストの叫びは届くか。

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2010年11月22日のニュース