プロへの第一歩!斎藤 朝6時から始動!

[ 2010年11月22日 06:00 ]

プロへ向けて本格的に始動した斎藤

 日本ハムからドラフト1位指名された早大・斎藤佑樹投手(22)が21日、再始動。プロに向けて本格的な第一歩を踏み出した。明治神宮大会初優勝から3日、西東京市東伏見の早大グラウンドで異例の早朝、6時すぎからトレーニングを敢行した。斎藤は今後「無休」で来るべき日に備えることを宣言するとともに、プロではスピードへのこだわりも封印して「切れ」で勝負したい考えを明かした。

 東の空がようやく白み始めた早朝6時すぎ。吐く息も白い中で、斎藤が次のステージへの本格的な一歩を踏み出した。
 「朝早く目が覚めてしまう。だから朝飯の前に練習と思って。納会が済んで野球部の行事も終わった。動かないとなまってしまう」
 軽くストレッチを行うと、左右両翼のポール間をスピードに差をつけながら何度も往復。体が温まると、入念にキャッチボールを繰り返した。約2時間。穏やかな日曜日にアーリーワークで再始動した斎藤は、充実した表情でグラウンドを動き回った。胴上げ投手となった明治神宮大会決勝から3日。19日は完全オフで、20日は野球部納会に参加。身も心も野球に飢えていた。早実で現役引退後のオフ、練習から離れて体重が5キロ増えた反省もあって「今回は休まず練習します」と無休宣言。この日も、昼食後に再びキャッチボールを行うなど精力的に動いた。
 体とともに頭でもプロのマウンドでのイメージトレーニングは繰り返している。その中で一つの結論に達した。昨年11月22日、プロアマ交流戦(東京ドーム)で同学年の坂本(巨人)に左前打を浴びるなど1イニング1失点。誘い球を見逃され、厳しいコースはカットされた。簡単に空振りを奪えず「切れを増すことがプロでは大事だと思った」。
 斎藤の最速は150キロだが、球速へのこだわりは捨てて切れを重視する。打者の手元で落ちない質のいい直球とともに、得意の変化球に磨きをかける。「最近、スライダー切れてません?以前と比べ腕が振れてきた感触があるんです」。直球と変化球のコンビネーションで東京六大学では歴代9位の323三振を奪った。プロでは持ち味にさらに磨きをかけて「勝てる投手」を目指す。
 早ければ今月中にも日本ハムと入団交渉を行い「プロ・斎藤投手」が誕生する。周囲の期待、自分が置かれた立場を理解した上で屈託なく目を輝かせた。それは自信の表れのように見えた。
 ☆斎藤の球速と球種メモ 早実時代は最速149キロ。大学では今春まで148キロが最速で「150キロ腕の肩書きが欲しい」と話していたが今秋リーグ戦、法大1回戦で目標の150キロをマークした。持ち球はカーブ、スライダー、ツーシーム、フォーク、カットボール、チェンジアップ。カーブはほとんど投げないが、スライダーは125キロ前後。ツーシーム、フォークボールは130キロ前後だ。カットボールは135~140キロで、120キロ前後のチェンジアップを有効に使って打ち取るケースが目立つ。

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2010年11月22日のニュース