ア軍と決裂!岩隈 楽天残留…応札→破談は初のケース

[ 2010年11月22日 08:36 ]

条件面で折り合わず、アスレチックスとの交渉が決裂、楽天残留が決まった岩隈

 ポスティング・システム(入札制度)による大リーグ移籍を目指していた楽天・岩隈久志投手(29)とアスレチックスとの交渉が決裂したことが21日、分かった。これにより岩隈は今オフの移籍を断念。来季は再び楽天でプレーすることになる。落札球団のア軍と条件面の隔たりが大きく、この日までに交渉が打ち切られた。22日に発表される。同制度で大リーグ移籍を目指した選手で、応札がありながら交渉が決裂したのは初のケース。岩隈は来オフ、FA権を行使してメジャー移籍を目指す形になるとみられる。

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 岩隈とア軍との交渉があっけなく幕を閉じた。大リーグ関係者の話を総合すると、岩隈サイドと球団による交渉がこの日までに決裂。右腕は来季、再び楽天のユニホームを着ることになった。

 19日までにア軍・ビーンGMから4年総額1400万~1500万ドル(約11億6200万~約12億4500万円)の条件提示があった。これに対して岩隈サイドも、希望額を相手側に伝えたとみられる。だが「交渉が1度で済めばいい」と話していたビーンGMは条件の上積みを行わない姿勢だったとみられ、これ以上の交渉は難しいと判断したもようだ。交渉期限は日本時間12月8日午後2時まで残っているが、異例ともいえる早い段階での「破談」となった。

 双方の認識の違いが早期決裂につながった。ア軍は独占交渉権獲得のために使った応札額1500万ドル(約12億4500万円)も獲得費用として考えた。つまり、条件提示と合わせ、4年総額3000万ドル(約24億9000万円)、年平均750万ドル(約6億2250万円)を「岩隈の評価」とした。岩隈サイドはそうは受け取れない。楽天に入る応札額と、岩隈が実際に手にする額は違う。年平均350万~375万ドル(約2億9050万~約3億1125万円)の条件提示は今季年俸3億円とほぼ同額。今後、入札制度やFAなどで大リーグ移籍を目指す日本人選手への「評価」にもかかわるなど影響の大きさも考慮し、年平均800万ドル(約6億6400万円)以上を求めたとみられる岩隈サイドにとって、到底受け入れられる条件ではなかった。

 岩隈はこの日、Kスタ宮城で自主トレを行った。約4時間のトレーニングを黙々とこなした後、ア軍との交渉について「僕から話すことは何もない。代理人に任せていますから」として球場を後にした。この間に球団と今後について話し合いが行われた可能性もある。

 楽天への「残留」は、22日に発表される。大リーグ球団からの応札があった上で、交渉が決裂したのは岩隈が初のケース。岩隈は23日にKスタ宮城で行われるファン感謝祭に参加する予定となっている。

 ◆日米間選手契約に関する協定(抜粋)
(12)いかなる理由があろうとも、(定められた交渉期間の)この30日以内にその日本選手と契約できなかった場合、そのアメリカ大リーグ球団の交渉権は消滅し、そのアメリカ大リーグ球団は日本球団に入札額を支払う義務は(あるいは他のいかなる義務も)負わない。そしてその日本選手の再度のポスティングの要請は、翌11月1日まで禁止される。

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2010年11月22日のニュース