斉藤が“一時引退”育成コーチ兼任選手へ

[ 2010年11月4日 06:00 ]

 03、06年と2度の沢村賞を獲得したソフトバンク・斉藤和巳投手(32)が、来季は育成コーチに就任することが3日、分かった。来季について、球団から育成選手か育成コーチでの契約を打診されていた同投手は、育成コーチでの契約を結ぶ決意を固め、4日にも球団側に意思を伝える。

 長い時間をかけ、斉藤が苦悩の末に出した結論は、育成コーチからの「再起」だった。今年2月に3度目となる右肩腱板手術を受けるなど、実戦登板は07年10月8日のロッテとのCSを最後に遠ざかっている。球団側は現状では来季の実戦復帰も難しいとの判断から、支配下登録選手から斉藤を外し、育成選手としてリハビリに専念してもらいたい意向があった。さらに来季から「3軍制度」を導入。そのため10月28日に行われたドラフト会議でも育成枠で巨人の8選手に次ぐ大量6選手を指名した。3軍の指導者として、選手会長も務めた斉藤の実績は申し分ない。投球技術だけでなく、リハビリを通した野球への取り組み方などをチームの次代を担う若手に伝えてほしいとの思惑もあった。
 育成コーチ就任を決断した斉藤だが、現役をあきらめたわけではない。現在は2日に1度のペースでキャッチボールを行えるまでに回復しており、自分なりに手応えを感じている。球団側は斉藤の右肩の経過次第では、来季中にも再び選手として再契約する方針。あくまで暫定的な現役引退で、実質的にはコーチ兼任選手の位置づけとなる。来季も背番号は「66」のままとなりそうで、数々の栄光を残してきた斉藤の今後が注目される。

 ≪斉藤の経過≫
 ▼07年10月8日 ロッテ相手のCS第1ステージ初戦(千葉マリン)で4回6安打5失点KO。
 ▼08年1月10日 米国で右肩関節唇修復手術。08、09年シーズンは1、2軍とも試合出場なし。
 ▼09年12月4日 契約更改で前年の2億5000万円から52%減の1億2000万円でサイン。
 ▼10年2月2日 千葉県内の病院で右肩腱板修復手術。右肩手術は3度目。
 ▼8月27日 球団が来季は育成選手として契約を打診していることが判明。
 ▼10月2日 球団が育成選手契約をあらためて提示も、本人は態度を保留。
 ▼10月4日 2月の手術後初めてとなるキャッチボール。

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2010年11月4日のニュース