住生活G会長、尾花監督続投「白紙」本拠地も未定

[ 2010年10月13日 06:00 ]

続投が既定路線だった尾花監督だったが…

 住生活グループの潮田洋一郎会長(56)は12日、横浜の球団買収交渉が表面化して以来、初めてとなる記者会見を都内で行った。同グループの統一ブランド「LIXIL(リクシル)」の知名度アップを目的に、今月中に球団買収の合意を目指す考えを正式に表明した。一方、尾花高夫監督(53)の去就も含め人事は「白紙」を強調。戦力補強に積極的な姿勢も示したが、本拠地は未定とした。

 注目発言を連発した。潮田会長はTBSホールディングスとの資産査定などの交渉について「(障害は)中止するだけの大きなものはない。できれば今月中に結論を出したい」と述べ、今月中に球団買収の合意を目指す考えを正式に表明した。
 TBSグループは球団株の69・2%を保有しており、住生活グループ側は球団株の50%を超える割合を取得する方針。買収額は100億円を下回る見通し。また住生活グループは純粋持ち株会社のため、買収を実施する傘下企業については「最もふさわしいのは中核会社のトステムだ」と指摘。本拠地問題についても「特に本拠地に対する制約はないと考えている」と移転の可能性を否定しなかった。
 球団買収のメリットについては、統一ブランドであるLIXILの認知度アップを挙げた。トステム、INAX、サンウェーブなど傘下企業の知名度はそれぞれ高いが「同じ経営グループに入っていること自体が認知されていない」。買収はLIXILの名を広め、球団を同グループのシンボルとすることが狙いだという。
 ただし、「シンボリックな意味合いを持つには強くないといけない」と強調した。そのためには人事刷新もいとわない構えだ。横浜の若林オーナーは9日、「(住生活グループに)了承してもらった上で話を進めている」とし、フロント体制の維持と尾花監督の続投を明かした。この点で意見は食い違った。潮田会長は「何らそれに対してお話をいただいていない。(人事は)全くの白紙ということです」とキッパリと語った。
 いよいよ最終局面。表舞台に主役が登場したことで、球団買収の輪郭がはっきりしてきた。

 ▼横浜・加地球団社長(住生活グループの会見の内容について)詳細が分からないので、特に球団から公表することはありません。

 ◆潮田 洋一郎(うしおだ・よういちろう)1953年(昭28)12月21日、東京都出身の56歳。77年3月に東大卒業。同4月にトーヨーサッシ(現住生活グループ)に入社し、80年に営業企画部長就任。副社長などを歴任し、2006年11月に会長に就任した。

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2010年10月13日のニュース