「仙ちゃん仙台へ」星野SD楽天“受諾宣言”

[ 2010年10月7日 06:00 ]

都内のホテルにチェックインした星野氏

 仙ちゃんが仙台へ行く!楽天の来季新監督就任が決定的となっている阪神・星野仙一シニアディレクター(SD=63)が6日、「受諾宣言」した。星野氏は東京都内で講演会を行い、聴衆の証言によると自ら楽天の監督問題にも言及。「仙一」と楽天が本拠地に置く宮城県の「仙台市」をかけたダジャレで就任に前向きな姿勢を示したという。楽天は8日にも同氏に正式に就任要請を行う運びで、闘将の現場復帰は秒読み段階に入った。

 「我が野球人生」と題された講演会。時の人の登場に、会場は厳戒ムードに包まれた。報道陣はシャットアウト。それでも100人を超える聴衆によると、星野氏は終始和やかな表情で現役時代から中日、阪神監督時代の秘話を披露。もちろん、サービス精神旺盛な闘将が「その」話題に触れないわけがなかった。

 「この年で(監督の)オファーがあることは本当にありがたいこと。ただ阪神のクライマックスシリーズが終わるまでは態度をはっきりさせるわけにはいかないんです」。シニアディレクターの立場から、まず口にしたというのが阪神への気遣い。だが、以前から「もう一勝負したい。闘志だけはまだまだある」と話すように、現場復帰への情熱は隠せない。最後には「“仙ちゃん”だけに仙台に行っちゃおうかな」。最大級のリップサービス。何とダジャレで仙台行きの決意を表したという。

 星野氏は自身の現状を愛弟子でもある阪神・金本とダブらせたようだ。阪神監督に就任した02年オフに、広島から金本をFAで獲得。1カ月以上かけて口説き落としたエピソードを引き合いに、「楽天も、オレをそれぐらいの愛を持って口説き落としてくるのかな」。その金本への口説き文句は「迷ったら前へ出ろ!」。昨年も楽天から水面下で監督要請を受け固辞した経緯があるが、2年越しのラブコールに今度は迷わず前へ出る覚悟なのだろう。

 仙ちゃんだけに仙台――。その仙台でも歓迎ムードが日増しに広がっている。昨季は野村監督の下、2位に躍進し地元でCS開催。主催試合の動員も過去最多120万3169人だった。だが、ブラウン政権下で最下位の今季は約6万人減。チケット売り上げだけで前年比で約3億円減った。だが、星野氏が監督候補に名前が挙がって以降、球団には来季年間シート予約の問い合わせが殺到している。関西大学大学院・宮本勝浩教授による試算では「星野新監督」誕生による宮城県への経済波及効果は概算で約188億円。CS進出した昨年の162億円さえ上回る「ノムさん超え」の驚異の数字がはじき出された。星野氏が阪神監督としてチームを18年ぶりにリーグ優勝に導いた03年には、関西へ1133億円に上る経済効果をもたらした実績もあり、人気、成績ともにV字回復への期待が膨らむ。

 杜の都に闘将が現れる日は近い。「仙ちゃんだけに仙台に来ました」。監督就任後はそんなダジャレがさく裂するかもしれない。

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2010年10月7日のニュース