苦しんだ雄星「情けない 自分との約束を守れず悔しい」

[ 2010年10月4日 15:19 ]

 注目ルーキーは目標を聞かれると、決まって「1軍で1試合投げて、次の課題を見つけたい」と返した。だが、西武の雄星が今季、1軍マウンドに立つことはなかった。

 最後の実戦は5月4日だった。2軍戦で楽天相手に5回を0点に抑え、初めて勝利投手となった。その後は左肩に痛みを感じ、7月のフレッシュオールスターは辞退。練習でも投げられず、走り込み中心のメニューが続く。「(1月の)自主トレのときに痛みがあって、徐々に痛みが大きくなった」と、慢性的に悩まされていたと明かす。
 小学3年から始めた野球で、初めての大きなけが。練習不足も原因の一つだと言う。「言い訳になるが、岩手で投げてこなかった」。昨夏の甲子園で左脇腹を痛めたこともあり、投げ込みをせずにプロの世界に飛び込んだ。「多少痛みもあったが、寒い中でも投げておけば良かった」と、ちょっぴり後悔も口にした。
 左腕がもがき苦しむ間に、ライバルたちは次々とデビューを果たす。秋山(阪神)や今村(広島)の姿を見て「同級生が勝ったりしているのを励みにしながら、必ずチャンスはくる」と言い聞かせている。同じ舞台に上がるには、まずは左肩を治すこと。「今はだいぶいい感じ。再発しないことが大事なので、丁寧にやりたい」。12月にもキャッチボールを再開したい考えだ。
 9月23日。1軍の試合を初めて観戦した。「今までは悔しい気持ちがあって、生で見ることはなかった」と言う19歳は、優勝を争うチームの雰囲気を肌で感じた。一方で、2ケタ勝利や新人王といった周囲の期待に応えられなかった自分自身については「情けない。自分との約束を守れず悔しい」。来年は、巻き返してみせる。

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2010年10月4日のニュース