斎藤、まさか…早大“ドラ1”リレーで東大に負けた

[ 2010年10月3日 06:00 ]

6回、東大・田中淳に死球を与えてしまい天を仰ぐ早大・斎藤

 【早大2-4東大】佑ちゃんが東大に負けた。東京六大学野球の早大―東大1回戦が2日、神宮球場で行われ、早大は今秋のドラフト1位候補で通算30勝に王手をかけていた斎藤佑樹投手(4年)が先発したが、7回3失点で東大戦初黒星を喫した。2番手で登板した同じくドラフト1位候補の大石達也投手(4年)も失点。早大が東大に敗れるのは05年秋以来、5年ぶりとなった。東大は08年秋の法大4回戦以来、続いていた連敗を35でストップした。

 まさかの番狂わせに神宮球場がどよめいた。2点を追う9回1死一塁、杉山が遊ゴロ併殺打に倒れてゲームセット。実に5年10季ぶりの東大戦黒星のショックが大きかったのか。整列を終えたナインはすぐにベンチ裏に消えた応武監督に続き、毎試合後に必ず行う観客席へのあいさつもせずに引き揚げた。リーグ戦通算30勝が懸かっていた斎藤にとっては、受け入れがたい黒星となった。
 「申し訳ありませんが、監督と選手は来ません。監督の談話は“また頑張ります。今から帰って練習します”です」。試合後、会見場に姿を見せなかった応武監督らに代わり、談話を発表した早大広報の声がむなしく響き渡った。
 すでにヤクルト、ロッテが早々と1位指名を公言し、今月28日のドラフト会議では最大の主役となる斎藤。東大戦は早大史上初の1年生開幕投手を務めた07年春以来、7戦全勝だったが、この日は明らかに不調。高めへの抜け球や、ショートバウンドが目立ちストライクとボールがはっきりしていた。2―0の3回に山越、高山に適時打を浴び同点に追いつかれると、6回には1死一、二塁から舘に勝ち越しの右前打を許すなど7回3失点。「優勝するには落としてはいけない相手。どんな形でも勝ちにこだわっていきたい」と話していたが、リーグ戦35連敗中の相手に足をすくわれ、今季2敗目。防御率も3・91でリーグ10位となった。
 ソフトバンクなどが1位指名候補に挙げる155キロ右腕・大石も8回から登板したが、制球が定まらず、無安打ながら2四球に暴投で追加点を与えた。ドラフトを約1カ月後に控えた両右腕の変調ぶりは、各球団の評価にも微妙に影響を与える可能性もある。ロッテの永野チーフスカウトは、斎藤について「いろいろ試行錯誤していると思う。向上心の表れ」とこれまでと変わらぬ姿勢を見せたが、「一体どうしたんだろう?」と首をかしげる他球団のスカウトもいた。
 3日の東大2回戦に勝てば、4日にもリベンジ登板の機会はやってくる。修正能力には高い評価を受ける斎藤だけに、次回登板に注目が集まる。

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2010年10月3日のニュース