原監督ムカッ…9年ぶり三重殺も「自作自演」

[ 2010年10月3日 06:00 ]

7回無死二塁、バント失敗しベンチに下がる寺内(手前)と厳しい表情の原監督

 【巨人7-1横浜】巨人は2日、脇谷亮太内野手(28)の決勝3ランなどで横浜に大勝し、2位の座を死守した。しかし、原辰徳監督(52)は、チーム9年ぶりの三重殺を完成させながら直前に失策を犯した脇谷や、内容のない凡退を繰り返している1番・坂本勇人内野手(21)らに苦言を呈した。残りは3試合。CSを勝ち抜くために、あえて指揮官は厳しい言葉でチームを引き締めた。

【試合結果


 原監督が嫌う言葉の一つが「結果オーライ」。結果は大勝でも当面はCSを勝ち抜くことが目標である以上、平凡なミスや内容のない凡打を黙って見過ごすわけにはいかない。指揮官は「ベンチで渋い表情だったが」との報道陣の問いに「反省することがあるから、そんな表情になったんでしょう」と振り返った。
 好守で活躍したのは脇谷だ。2回1死一、二塁で左翼席に決勝の7号3ランを運び、直後の3回無死一、二塁の三塁守備では内川の三塁線寄りの強いゴロを捕球し、素早く三塁ベースを踏んで二塁へ転送。二塁→一塁でチーム9年ぶりの三重殺を完成させた。ただ、この回の先頭打者・石川を失策で出塁させたのも脇谷。原監督は「三重殺を生んだのもエラーから。自作自演で、いい結末をつくったね」と褒めることはなかった。
 不満は坂本にも向けられた。この日は4打数無安打で最近5試合は20打数2安打。5三振にフライアウトが12もある内容の悪さを「ポップフライ病」と命名し「我慢に我慢して初めて苦言を呈するが、決断を下さなければいけないかなと思う」と1番降格も示唆した。坂本はチームで唯一フルイニング出場を続けているが、内容ない凡打が続けば残り3試合でスタメン落ちや代打を送られる可能性もある。
 シーズン終盤から失敗が目立つ送りバントも、7回無死二塁で寺内が捕手への小飛球。原監督は「経験がないとか、若いとか、ノーエクスキューズ」と切り捨て、伊原ヘッドコーチも「あした(の全体練習で)は打撃練習をやらずに、バントばかりやってもらう」と厳しい表情で語った。
 3位・阪神とは0・5ゲーム差。2位確保へ、残り3試合も負けは許されないが「勝てばいい」では、日本一連覇は不可能だ。CSでは大小にかかわらずミスが黒星に直結する。「残り試合で選手はいい形のものを出してくれると願います」。会見の最後まで原監督に笑顔はなかった。

 ≪連続封殺では27年ぶり≫巨人が3回に今季両リーグを通じ初めての三重殺を完成させた。巨人の三重殺は01年5月12日中日戦の9回に記録して以来9年ぶり通算15度目。この日は内川の三ゴロを捕球した脇谷が三塁ベースを踏んだあと二塁→一塁と転送された。巨人の連続封殺による三重殺は83年6月24日広島戦で3回山本浩の三塁ゴロを三塁手・原→二塁手・篠塚→一塁手・中畑と転送して完成させて以来27年ぶり。

 ▼巨人・脇谷 試合前に原監督から“スタンスを小さくしたらどう?”とアドバイスをもらい、最初の打席で結果が出てよかった。三重殺?最初は僕のエラー。ベースの近くに来たら“やってやろう”と思っていた。
 ▼巨人・寺内 次に失敗しないようにやるだけです。
 ▼巨人・長野(2安打も新人では長嶋終身名誉監督に並ぶ14度目の猛打賞ならず)チームが勝てば自分の成績はどうでもいい。久しぶりの本拠地で大歓声の中でプレーできてうれしい。

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2010年10月3日のニュース