マエケン完投14勝!竜止め投手3冠へ加速

[ 2010年9月17日 06:00 ]

<広・中>9回、大島を空振り三振に斬り手をたたいて喜ぶ前田健

 【広島5-3中日】マエケンが止めた。6連勝と勢いに乗る首位・中日との今季最終戦。広島の前田健が吉見とのエース対決を制し、中日戦の連敗を11で止めた。10安打を許しながらも、9回3失点で完投勝利。153球を投げ抜き、今季14勝目のウイニングボールを右ポケットにしまった。

 本調子でなくとも決定打を許さない。窮地で力を発揮する投球は健在だった。「ピンチではギアを1つ入れることで抑えられる。フォームや気持ちのスイッチが入る。それは、これまでの試合で培われてきたものですね」。1点リードの6回1死満塁は、谷繁、堂上剛を直球でねじ伏せた。同点とされた7回2死一、二塁はブランコを中飛に仕留めて勝ち越しを許さなかった。今季4度目となった吉見との対決も発奮材料だった。「吉見さんに勝ちがついたら並ばれる。そうならないように」。1差で最多勝を争っていた吉見に投げ勝ち、対戦成績を2勝2敗の五分にした。

 防御率2・25と、この試合で7つ上積みした156奪三振もリーグトップ。シーズン当初から目標にしてきた個人タイトルをしっかりとらえている。勝利数、防御率、奪三振数の投手主要3部門をすべて獲得すれば、セ・リーグでは99年の巨人・上原(現オリオールズ)以来、11年ぶりの快挙となる。球団では史上初の投手となる。

 お立ち台では「ここまできたら狙いたい。タイトルを獲れるように頑張ります!今年は悔しい順位になったけど、最後まで必死に投げます」と高らかに宣言。チームはCS進出の可能性が消滅したが、ファンの楽しみは残されている。マエケンの視線は「投手3冠」に向いている。

 ≪マエケン3冠ならチーム初≫前田健(広)が完投で今季14勝目。久保(神)の13勝を上回るセ最多勝利で、防御率2・25、156奪三振もリーグ1位だ。過去に勝利、防御率、奪三振の3タイトル独占は06年斉藤和(ソ)までセ、パ合わせて13人(14度)が達成。うち、セでは54年杉下(中)、58年金田(国鉄)、61年権藤(中)、81年江川(巨)、85年小松(中)、99年上原(巨)の6人が記録している。前田健がセ7人目でチーム初の投手3冠を目指す。

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2010年9月17日のニュース